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第11話

 「ほんとに風邪ひいた。」  鼻を噛んでベッドへ戻る。  「大丈夫?」  マスクをした結城が扉から顔を見せる。  「結構やばいかも。」  持ってきてくれた体温計で熱を測る。  「あ、」  ピピピピという音に反応して見ると「37.8」とあった。  「けっこう、高いね。」  「うん。」  数字で見ると余計に具合が悪くなったような気がした。  「よし!今日は学校休む!看病する!」  結城は胸に手を当て言った。

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