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第12話
ガシャン!
ドアの向こうから大きな物音が聞こえる。
バシャー!!
あ、なにかこぼしたな。
ご飯を作ってくれると言ってくれたが、逆に心配だ。
時間が経てば経つほどにだるくなってベッドから動けない自分が憎い。
「圭太!できたよ!」
そう言って入ってきた結城は指に絆創膏を貼っていた。
「ごめん遅くなって。」
お粥がのったトレイをベッドに置いて椅子を近くに持ってきて座る。
「起きれる?」
「ん、」
両肘を使って体を無理やり起こす。
「ちよっとまってて。」
スプーンでお粥を掬い、マスクをずらしフーフーと覚ましてくれる。
「はい、あーん。」
されるがままにあーんされる。
「どう?美味しい?」
ネギは大きいし、卵の殻が入っている。けど、
「おいしい。」
かわいい恋人が作ってくれたのは嬉しかった。
そう言うと結城はホッとした顔をする。マスクをしているから分かりずらいが。
「結城。」
手でおいでとジェスチャーをすると結城が近づいてくれる。多分、これぐらいじゃうつらないだろう。
チュ
「ありがと。」
キスしたほっぺたから顔が赤くなっていった。
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