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第19話
「おい!ルイ!」
寮の入り口で待機していたところ、入ってきた少年に声を掛ける。用が何なのか察したルイは身を翻す。
「まてって。」
簡単につめることができ、華奢な肩を捕まえる。
予想通りだがルイは補習に来なかった。
だからこうして捕まえている。
「なに?」
「なに?って。補習はちゃんとでなさい。」
「うざい。お母さんみたい。」
我ながら母のような口調になってしまったと思う。
「一応補習でるように誘導するのも風紀の仕事なんだよね。毎日声をかけられ続けるのが嫌だったら、諦めて補習でて。」
「いや。」
即答で答えられる。
「なんで?」
「だって、」
逃げる気配を感じなかったから捕まえている手を離して、続きを待つ。
「どうせでたって補習受かるわけないし。」
うちの補習はテストで60点以上取れば終えられるという仕組みだ。
「俺、バカだから。」
「ならさ、」
一向にこっちを向いてくれない顔を両手で挟んで、強制的に目を合わせる。
「俺が勉強教えてあげる。」
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