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第44話

 「のど、乾いた。」  泣いて落ち着いた結城は、俺がさっき飲んだスポドリを手に取り、残りの半分を飲み干した。  ぷはっと口を話すと、俺の方を見る。  「圭太、ご飯食べたら?」  「あ、うん。」  さっきまで泣いていたやつとは思えないあっさりとした言動で驚く。  素直にテーブルの前に座って料理を食べる。  冷めていながらもおいしかった。  結城は外を見ながら居心地悪そうにほおをかいている。  泣くつもりはなかったのだろう。照れ隠しをしていることに可愛いと思いながら、言わないでおいた。  「ご飯食べたらルイくんのところ行きなよ。」  「え、」  「行くの!」  「うん。分かった。」  結城がこちらを見る。  「また倒れでもしたら迷惑だからね!」  ほっぺを膨らました後に、笑う。  「ふっ、そうだな。もう迷惑かけないよ。」  俺の返答にまた満足そうにニンマリと笑った。  ご飯を済ませ、部屋の玄関まで結城が送り届けてくれる。  「俺のこと話したら引かれるかな。」  「どうだろうね。…でも俺は引かなかったよ。」  「…だな。」  結城が俺の手を取り、絡めてくる。  「俺のこと、好き?」  「うん。好き。」  「俺たちさ、これからどうなるの?」  「…変わらないよ。俺と結城は恋人同士。関係は変わらない。」   「…そっか。」  暗い玄関の中、結城の鼻息がかかる。  そっとキスをされる。  離れたキスは角度を変えてもう一度。    触れるだけのキスを堪能する。  結城の手が頬に添えられる。  「いってらっしゃい。」  「…いってきます。」

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