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第49話
旅館に戻るも、お互いの部屋はバラバラだった。
小野や結城に部屋を譲ってもらうのも図々しい。
「ねぇ、もうちょっと話したい。」
ルイも同じことを考えていたようでぽつりと口に出す。
「こっち行こ。」
ルイを、引っ張って連れて行った先は広間だった。
ルイを呼び出した場所。
消灯されていて小さな灯しかついていない中、2人がけのソファに座る。
ソファに座っても手は繋いだままだった。
「明日、サーフィンやる?」
「いいの?」
「うん。やろうよ2人で。」
嬉しいという言葉の代わりに手をぎゅっとされる。
「僕も、圭太って呼んでいい?」
「いいよ。」
「やった!圭太、圭太。」
ルイは何度も俺の名前を呼ぶ。
「帰ったらさ、俺の寮部屋においでよ。一緒に住もう。」
これは俺が一番言いたいことだった。
長い時間話していたが、いつの間にかどちらともなく眠りについていた。
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