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第51話

   最終日はルイとサーフィンをして、昼食をとった後、帰路についた。  「圭太、眠いから肩貸して。」  帰りの車でもルイがくっついてくる。  「ねえ、くっつきすぎじゃない?」  反対の隣にいる結城が怪訝な顔でルイを見る。  「やだ!けいたぁ、怖い!」  それを見てルイはさらにくっついてくる。  「ちょっと!圭太から離れて。」  結城がルイを剥がしにかかる。  「いいじゃん別に。結城先輩は前まで独り占めしていたんだし!」  ルイは巻き付いている腕の力を強くする。  「いてて、2人とも仲良くしてよ。明日から一緒に住むんだしさ。」  ルイがすぐにでも一緒に住みたいというから、明日引越しすることになった。  「結城先輩が怖いことするからだもん!」  「そっかそっか。」  ほっぺを膨らませて上目遣いにこちらを見てくるもんだから思わず肯定してしまう。  「ちょっと、圭太!」  「べーだ!」  俺に見せた態度とは裏腹に結城には舌を見せる。  「やっぱ俺やだ!ルイ嫌い!」  ギャーギャー言いながらも、最終的には俺の両肩に2人が乗って寝ていた。  2人分の体重が乗っかっていて重いが、悪い気はしない。  なんだかんだ2人は上手くやっていけそうだと思った。  いつのまにか俺も寝ていて、車の後部座席で3人の寝息だけが聞こえていた。  こうして俺たちの旅行が終わった。

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