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『女王様と呼んで』

 全校集会で、B寮の寮長が決まり、僕と園田が恋人同士になったと、休み明けの校内は大騒ぎだった。 「ねぇ」  昼食を食べに誘いに来た園田と一緒に開放されている屋上へと上がった。他にも生徒はいるけど、僕は気にせず園田に寄りかかって座った。弁当は今朝、園田が遅刻して来た時に僕の分も注文して取ってきてくれていた。  甘くない卵焼きに満足して食べ終わると、園田に寄りかかったのだ。  園田は先に食べ終わって本を読んでいた。  園田はそのまま僕を膝枕して、本の続きを読んでいる。 「何読んでるの?」  見上げた視線の先に見えるのは文字の羅列。 「女教師陵辱生活レイプと監禁」 「……えげつないの読んでるね」 「興味あるなら貸すぞ。猛が感想くれって」  園田はパタンと本を閉じると、「現実味無いし、面白くないな」と横に置いた。 「まあ、若い女教師なんていないしね」  学園内に女教師は数人しかいない。その女教師も高齢だ。 「そうじゃなくて」  本を置いた園田の手が僕の額にかかる髪をかき上げた。 「本より、実体の方が全然いい」  膝に頭を乗せたまま園田越しに澄み切った青い空を見上げるが、視界が遮られた。

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