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第67話

杉原先輩のお母さん……小雪さんは、先輩のお父さんとその昔恋人だったそうです。 ですが杉原先輩のお父さんは長男で、小雪さんは茶道の名家の出身で跡継ぎ。 許されない恋だったらしく、最後の夜に交わった結果に杉原先輩を身籠ってしまい、分家に養女に出され杉原先輩を産み育ていたらしいです。 そして偶然杉原先輩のお父さんと再会して、先輩を杉原家に養子に出したとのことでした。 「ね、ぜーーんぜん俺は気にしてないわけよ」 杉原先輩は本当に気にしていない様子で平然としていました。 私はまさかの実のお母さんを訪問してしまい本当にいたたまれない気持ちになりました。 (これからは考える前に確かめたほうがよさそうです) 「せっかくのデートを台無しにしてしまって、ごめんなさい……」 私は素直に謝罪すると、先輩は何でもないかのように笑って答えてくれました。 「いいよ、俺も言葉が足りなかたかもだし?……それに」 ……それに? 先輩の腕が私の腰に回るとそのまま畳に押し付けられ、簡単に押し倒されてしまいました。 「私服で、しかも畳の上で口説けるって、これも新鮮じゃない?」 杉原先輩の手が私の顎を取り唇が重なりました。 先輩の舌が私の口内に入りたがっているみたいに動くので、少し唇を開けるとあっさりと侵入してきました。 荒く息継ぎをしながら、先輩は口内を犯していると……片手が体を服の上を滑っていきました。 くすぐったくて身を捩ったら、服の裾から直接手が入ってきます。 ですが次の瞬間、 「こういう行為は、口説く延長でするものではなくて、お互いの合意の上でする行為なんです。分かりますか、俊さん?」 上から言葉が降ってきました。 「ッ!!」 「あれ、小雪さん着替え早くなったね」 私は杉原先輩が退いてくれたあと、凄く居辛い気持ちでいっぱいでした。 「ごめんなさい」 私は身を正して謝罪しました。 それでも先輩は、 「小雪さんは17才で俺を産んでたデショ」 負けずと反論していますが、流石先輩のお母さんです。 「私はその行為をするときには、すでに俊さんを身籠る覚悟でしていましたから、俊さんとは立場が違います」 倍になって返ってきました。 しかし、先輩の次の言葉で 「俺は叶だけが良いって覚悟出来てるんだけどね。叶待ちか」 「え、杉原先輩……?」 どうして杉原先輩はもうそんなに決意が出来ているのか、私はこんなに人を一途に人を想うことが出来るかの、私は更に不安になってしまいました。

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