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1-1 始まり

父さんが逃げた。 散らかった机には多額の請求書と ごめんな、なんて、メモだけが残っていて。 帰宅したままの格好で呆然と立ち尽くすなか 鍵を掛け忘れたドアが無遠慮に開き 「…××の息子だな。 連れて行け」 ずかずかとあがり込んできた数人の男に捕まり、何かの薬を飲まされ、意識を失った。 ーーーー ーーー ぼや…とした視界がはっきりし、あたりを見渡すとカメラや照明、男たちの視線が自分に向けられていた事を知る。 「なーんか普通?もやしみてぇ」 「あんま可愛くはねーか?目隠しでもすっかな」 「あ、起きたじゃん、やほー、」 ひらひら、と手を振るチャラい人と、 ジロッとこちらを見る筋肉質な厳つい人と、 何となくリーダーらしき黒髪の人が居て。 「……あの、」 「あー、いい、いい。聞きたいことはわかる」 黒髪の人に、おれの話はどうでも良さそうに遮られ へらへらと金髪の人が近寄ってくる。 「だめじゃん返せないお金借りたら。悪いのは親父さんみたいだけどさぁ… かわいそーに、きみも人生終わりだねぇ?」 する…と髪を撫でられ強張ると、 あはは、かーわいっと笑われた。 「○△高校1年…て、おめーまだ15かよ。」 「ぁ…学生証、返して…」 「はっ、どうせもう学校なんざ通えねーよw」 カバンを物色していたその人は、物分かりわりぃな、と嘲笑いながら学生証を放った。 さっさと始めるかー、そう言い放った黒髪の人は機材をセットし始め、あとの2人が気の抜けた返事をしながらこちらへ近寄ってくる。 向けられたレンズに、自分の戸惑う顔が映った。 「んじゃ、はい、自己紹介してー?」 「…へ……」 「高校生ならAVくらい知ってんだろ、」 怠そうにそう言いながらシュル…と慣れた手つきで目隠しをつけられて。 何が起こるのか分からなくて、ただただ遮られた視界に怯えてしまう。 「ッやめ、て……なにを……っ」 「聞きたいか? ロクなもんじゃねぇぞw」 「…っな…、や……触らないで…ッ、」 「学ラン似合うねぇ、ぶかぶかで可愛い。」 「んじゃ上だけ着せとくかァ、前は開くしな」 「…や、め……おれっ、男です……!」 「ふはっ、知ってるっつのw 」 プチプチと学ランのボタンが外されていくのが分かり抵抗するけど、抑えられた身体はびくともしなくて。 「やっ…!やめ、て…ッ嫌だ……っ!」 「…ちっ、うぜぇなァ…暴れんなよ。」 「ン、ぐっ……んん…ッ!」 手で口を押さえつけられ、無遠慮に下を脱がされ、 ビリッ、と、シャツは裂かれた音がした。

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