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第7話
「ここに居ると、良く分かったわね。」
「追ってた議員と関係した組の一斉検挙がやっと終わった。他も雑用があり迎えに来るのが遅くなった。捜査協力、心から感謝する。」
驚いて振り向くと、居るはずの無い人物が立っていた。
「幾人…?」
幾人は髪を整え、スーツをきちんと着こなし見違えたように爽やかな印象だ。
その姿をキミちゃんは渋い顔で眺めてる。
「上着の警察手帳を見て碧が更生出来ればと押し付けたけど、とんだ狂犬拾ったわよね。まさかアパート燃やすなんて…」
「それだけは俺のせいじゃない!聞いた時は焦ったが無事で良かった。」
キミちゃんが二人で話せと部屋を出てくと、幾人が俺に向き直った。
「最初は興味本位で、一緒に住んでるうちに、ほっとけ無くなった。恋愛の障害になりそうな奴追い払ったり色々時間が掛かったが、やっと碧の忠犬を卒業出来る。また俺と暮らすだろう?」
「これ、プロポーズ? 」
「そうだ、結婚しよう。心から、愛しているよ。」
「聞きたい事、沢山…」
「質問は返事のあとだ…さぁ、早く…こい。」
差し出された幾人の両腕に、力一杯抱きついた。
二人の新婚生活は、ここからスタートを切った。
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