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第6話

幾人が居なくなり数日して、俺の住んでたアパートが全焼した。 原因は漏電で幾人がもしかしたら帰ってくるかも知れない、そんな一縷の望みさえ失った。 「で、あの犬との生活はどうだった?」 「やっぱり、俺じゃ駄目だった。」 家を失った事で暫く何をする気にもなれない。キミちゃん家に転がりこんで、組の仕事も休みボーと過ごした。 さほど俺の話に興味も無さそうでキミちゃんはテレビのリモコンを弄っている。 「ふーん。で、探してまた一緒に暮らすんでしょ?」 「いや、諦めるよ。幾人が追われてないか心配だけどさ。大体、俺も組に戻ればカタギじゃなくなりそうだし、一緒に暮らすのも潮時だったよ。」 「まだ好きなんでしょ、彼の事。そんな簡単に諦められる…?」 答えたくなくてテレビに視線を投げると、速報が飛び込んできた。有名な政治家の自宅に公安の家宅捜索が入ったらしい。 「なお、議員には兼ねてより黒い噂があり、同時に摘発を受けたのは広域指定暴力団…」 ニュースは淡々と続けられる。 「嘘でしょ…。うちの組にガサ入れだ!」 こんな事があったら組はもう、完全に壊滅状態だ。 家に続き仕事まで失い、目の前が真っ暗になって、何も言葉が浮かばない。

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