好きな人と密着して、キスだってしたんだ。 　これだけのことをして反応しないほど、俺は落ち着いた人間じゃないぞ。 「赤城さん。……目、閉じて」 「ん……っ」 　抵抗する素振りを見せず、赤城さんは俺のキスを受け入れる。 「ん、はぁ……っ。……きみの気持ちを疑うような真似ばかりして、本当にすまない……っ」 「赤城さんだから許します。不安になったら、いつでも俺に言ってください。そしたら俺は、何度でも赤城さんに好きって言います」 「ありがとう、本渡君……っ」 　呟いた赤城さんが、控えめに顔を寄せた。 　そして、触れる程度のキスをしてくれる。 　わずか一瞬で唇が離れると、俺は赤城さんのワイシャツに手を伸ばした。 「もう、割と限界ッス、マジで」 「あっ、本渡君……っ」 「分かるッスよね、赤城さん？　俺のココ、どうなってるのか」 　赤城さんの体に、ペニスを押し当てる。 　ズボン越しでもハッキリ分かるくらいの硬さだろう。 　当然、赤城さんは恥ずかしそうに動揺し始めた。 「赤城さんだって、そうでしょう？　俺、気付いてるんスよ」 「本渡君、いやだ……っ。そんなこと、言わないで……っ」 　赤城さんの股間を、ズボンの上からまさぐる。 　チャックを下ろして、赤城さんのペニスを下着から出す。 　ぷるっと勢いよく出てきたソレは、俺と同じくらい硬く、張りつめていた。 「ね、赤城さん。……扱いても、いいですか？」 「あっ、ん……っ」 　自分のも取り出して、赤城さんのと重ねる。 　重ねたペニスを同時に擦ると、赤城さんの口から切なげな喘ぎが漏れ出た。 「やっ、こんなこと、初めて――あ、っ！」 「赤城さんも、触って……ッ？」 　赤城さんの手を引き、同じように擦るよう強要する。 「あ……っ！　本渡、く……ん、っ！」 「声、カワイイッスね。もっと聴きたいッス」 「ふ、ぁ……んっ！」 　お互いの手が、どんどんヌルヌルになっていく。 　実際、俺だって男とペニスを擦り合わせるなんてしたことない。 　――だけど、全然イヤじゃなかった。 「ん、ぅ……あ、っ！　本渡君、僕……っ」 「イきそうッスか？　……俺も、あんま余裕ないッス……ッ」 「ふっ、んぅ……あっ、イ……っ」 　お互いの手に、お互いの熱が同時に吐き出される。 　俺は赤城さんの肩に額を当てて、赤城さんはただベッドに体を預けて……呼吸を荒げた。 「はぁ、は……っ！　す、まない……スーツ、が……っ」 「俺も、スミマセン。どっちも、汚れちゃいましたね」 　手遅れな気もするが、とにかく、これ以上汚してはいけない。 　今さらすぎるが、俺は赤城さんのスーツを脱がしていく。 　少しずつ裸にされていく赤城さんが、ゆっくりと身じろいだ。 「本渡君。……続き、は……っ？」 「モチロン、俺はするつもりッス。……あっ、もしかして今日はお疲れだったりしますか？」 　半裸の赤城さんが、首を横に振る。 「ここで、終わらせたら……いや、だ……っ」 　その言葉で。 　萎えかけていた俺のペニスは、すぐに元気を取り戻した。