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番外編~ある幸せな休日~ 第2話(6)
「もう大丈夫? 動いて平気?」
問われて、恋人に縋りついたまま如月は動いてと懇願した。
すぐさまゆるい抽挿が開始され、抜き挿 しの強さと速さが次第に増してくる。
「あっ……あ……っ」
与えられる刺激に、如月の口から自然に声が漏れた。
感じる場所を巧みに攻められ、瞬く間に理性が吹き飛んでいく。揺さぶられ、リズミカルに衝 かれ、掻き回されて翻弄された。
「あぁっ……! あっ……ん……、ぐんじっ、ぐんじ……!」
「琉生さん、可愛い声。感じてるときの琉生さん、最高に色っぽい」
蜜を垂らして勃ち上がっている自分のものが、腹のあいだでこすられてたまらない悦楽をもたらす。最愛の恋人を迎え入れている隘路 の奥が、完全に開ききって貪婪 に吸い付いていた。
「……ふっ……ンンッ……あぅっ…………っ」
わけがわからないほど気持ちがよくて、幸せで……。
「あうぅ……っ、ぐんっ、じ……っ」
頬を伝い落ちる涙を、口唇で吸いとられた。
「気持ちいい? 俺もすごく、気持ちいい。もっともっと、ふたりで気持ちよくなろうね」
恋人の声に、無我夢中で頷いた。
引き起こされ、ソファーの背凭れに身を預けさせられた如月は、大きく両足を割り開かれてあられもない恰好になった。体内に埋めこまれていたものが一度引き抜かれ、繋がっていた部分が自分の目にも飛びこんでくる。物欲しげにクパクパと開閉を繰り返す、淫 らで、いやらしい穴。
「やああっ、群司っ!」
如月は泣き声をあげた。恥ずかしいのか、早く挿 れてほしいのか、もう自分でもわからなかった。
群司の瞳に、さらなる欲望の灯 が点 る。如月の声と反応に煽られ、ますます凶暴にそそり勃った熱い楔 をぐっと入り口に押しあてると、大きく開かせた両足を抱え上げ、そのまま一気に奥まで突き入れた。
「あぁあぁぁぁ――――――………………っっ!!」
如月の口から、かつてないほどの嬌声が放たれた。
目の前にチカチカと光が瞬く。目を開けているはずなのになにも見えなくて、如月は大きく背中を撓 らせながら痙攣した。
串刺しにされたまま立ち上がった群司に揺さぶられて、必死にしがみつきながら身悶える。
「あうっ……ヤ……っ、ふかっ、いっ……」
頭を仰 け反らせ、ハクハクと喘ぐ如月の喉に、群司の口唇が吸い付いた。敏感になりすぎている身体が、ビクンと反応して、その刺激が結合部にもダイレクトに伝わる。なにをどうしても絶頂感が止まらず、如月は啜 り泣いた。
「琉生さん、ドライでイッちゃったね。身体も体内 も、まだ痙攣してる」
嬉しそうに言われても、如月は喘ぐことしかできない。いくら細身とはいえ成人の男をひとり抱え上げているというのに、軽々とそれをしてのける恋人の顔には、まだまだ余裕があった。
「ぐんじ、好き……好きっ。愛してる……」
「俺も愛してるよ」
力がうまく入らない身体で、それでも必死に縋りつく如月を、群司はよしよしとあやした。
「琉生さん、このままベッドルーム行くよ? このあともまだまだ、ふたりで融けてなくなるくらい、やらしいこと、いっぱいしよう?」
耳もとで囁かれて、如月はうっとりと頷いた。
「する。群司といっぱい。融けて、なくなっちゃうまで……」
「琉生さんの気持ちいいとこ、いっぱい衝いてあげるね」
いまだ体内で硬度を保ったままの恋人の昂ぶりを感じて、如月の胸は期待に打ちふるえた。
泣きたくなるほど幸せで、満ち足りた休日。
ずっとずっと、繋がっていたい。
いつまでも、愛し合っていたい。
恋人に抱かれて寝室に運ばれながら、如月はいましがた味わった絶頂の余韻に浸りつつ、その目を閉じた。
~end~
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