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第8話
那月くんは意外にも酒豪だった。
ワインは白しか飲めないらしいけど、美味しそうにお料理を食べながらぐいぐいアルコールを煽って、帰ったら飲み直しましょう!なんて上機嫌に笑ってた。
最近は誰かとご飯行くことも無かったから(お客さんは別だよ)こういうの、めっちゃ楽しい。
帰りに輸入物がたくさんあるスーパーでお酒とかチーズとかを買って帰ってきて、今は順番にお風呂。
俺が先に上がって那月くんがバスルームに入ったところだった。
そういえばさっきお店で那月くんの源氏名をメッセージしたあと、新倉さんから電話あったんだった。
「お疲れさまです。電話出れずにすみません」
「お疲れー。那月くん、良い名前だね。プロフィール作ったからあとオプション系の入力教えてあげて」
「はーい」
「いつくらいから出勤できそ?」
「ど素人過ぎて今週は無理。スーパーノーマルだったら来週くらいからいけるんじゃないですかね」
電話の向こうで新倉さんが豪快に笑ってる。
経験ないこと、新倉さんは知ってるの?って那月くんに聞いたら、プロの指導員が居るから大丈夫ってことで俺の部屋になったらしい。
知ってたなら最初に教えてよ。
いろいろ話してるうちにバスルームから音が聞こえて那月くんが上がってきたから電話を切った。
ちょうど来週常連さんがフリーで来るらしくて、那月くんの初出勤は来週の水曜日に決まった。
今日が木曜だから、あと1週間くらい。大丈夫かなあ。
「りーつさんっ。俺結構酔っ払ってます?」
「大丈夫大丈夫。さっきまでみたいに緊張されるより全然いいよ」
「ふふっ、律さんってホントに優しい。」
グラスを2つ持った那月くんがたたっと俺の居るソファに駆け寄ってきて、ふたりで並んで乾杯した。
本当に緊張は解けたみたいで、那月くんの素はこっちなんだろうな。人懐っこくて可愛い。
適当につけてた映画を眺めながら、大学でなに専攻してるかとか、そんな話をしてたら何となく目が合って那月くんが小首をかしげた。
グラスをテーブルに置いて柔らかく微笑んでる。
「どした?眠くなっちゃった?」
「んーん。なんか、律さんと居ると、楽しいなあって思って」
「また可愛いこと言っちゃって。俺も楽しいよ。」
えへへって笑った那月くんがなんだか愛しくなっちゃって、抱き寄せてキスをした。
那月くんは甘えるように首に絡みついてくる。
この仕事をしてて、キスとかセックスとかのハードルが低くなってきてるのを感じる。
本来は大好きな人とするはずの行為を仕事としているせいで、割ともう誰とでも出来ちゃう。その辺の神経が死んできている気がする。
最後に好き合ってる人とキスしたのって、いつだろう。
「もう一回して、律さん、、」
「那月くん酔払っちゃった?さっきと大違いだね」
「律さんがキレイだから」
「積極的だねえ。襲っちゃうよ?」
向かい合ってた那月くんをソファの背もたれに押し付けて、半開きの唇に口付けた。
柔らかい唇を啄みながらゆっくりと口内に侵入すると、熱くなった舌が追いかけるように絡んでくる。
那月くんだって、今日会ったばかりの俺にこんな事出来るのは、肌と肌を合わせたおかげだ。
セックスって不思議なもので、感情なんてものは正直関係ないんじゃ無いかと思う。表面的であろうがヒト同士の壁を問答無用で溶かしてしまう。
それでも、お客さん以上恋人未満の那月くんが甘えてくれるのは、俺としても心地良いものだった。
それは一目惚れのような感覚で、那月くんの笑顔はもっと見たくなるし、もっと色んなことを教えてあげたくなる。
「ふ、んん、律さん、、」
「可愛い。ねえ、これ、吸ってみて」
「ん、んん、むずかし、、」
すっかり蕩けちゃってる那月くんの口元に、舌を突き出して舐めさせる。
那月くんは不慣れながらも俺の舌を必死に舐め回して、唇で包み込んでは緩く吸い上げた。
「那月くん、えっちだなあ。」
「ん、律さん。さっき律さんがしてくれたみたいに、律さんのおちんちん、舐めてみたいです」
「ふふっ、ほんと積極的。フェラの仕方なんて知らないくせに」
そう言って笑うと、うるさいです。ってムキになった那月くんが俺の足の間に正座して、ぐいぐいパジャマを脱がせようとしてる。
腰を浮かせてやると、下着ごとずるっと下ろされてあっという間に半裸にされた。
興味津々な那月くんが、恐る恐るといった感じで手を伸ばしてくる。
「触っても、良いですか?」
「うん。良いけど。実際目の前にあるとグロいでしょ、ちんこって」
「そんなこと無いです。なんか、不思議な感じです。律さんにもこれが付いてるんだって」
まだ柔らかいそこを那月くんのあったかい両手が包み込む。
まだ性を分かってない彼の触り方はエロさも何にも無くて、ふにゃふにゃのままの自身がちょっと申し訳ない。
それでも何とか勃たせようと試行錯誤してる那月くんの真剣な表情が可愛くて、両脇に手を入れて抱き上げた。
その隙に那月くんの下半身も裸にしてやって、お互い下だけ何も履いてない状態の対面座位。
俺は全身脱毛してるからパイパンだけど、那月くんはそもそも体毛が薄いみたいで、うっすらだけ生えてる陰毛が逆にエロかった。
2人の竿が合わさるように腰を抱き込むと、那月くんがおずおずと手を出して、自分の先から出た滑りを俺のに塗りつけてる。
那月くんのTシャツをたくし上げてピンと立ってる乳首に舌を這わせると、びくんって体を揺らしてゆっくり息を吐いた。
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