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第1話 - ①

ネガティブくんとポジティブくん ■■■■■■■■■■■■■■ 煩い 煩過ぎる…… バカ笑いにイスの引く音 バタバタ駆ける足音それが全部 騒音 手を叩いて何がそんなに可笑しいのか、知りたくも無いし、分かりたくも無い 煩いこの教室の中で唯一自分の世界に入れるのは音楽で イヤホンを耳につけスタートを押せば周りの雑音、騒音は消え失せる 流れる音色に身を任せ目を閉じればもうここは自分一人だけの世界、くうか…… 「おはよぉおおおお!!」 「ぅわぁああああ!!」 右耳のイヤホンを外され、癒される音楽の変わりに馬鹿でかい声に俺はイスから転げ落ちそうになった 「おはようおはようおはよう、陰山(かげやま)!」 「き、貴様!!その馬鹿でかい声で俺の鼓膜を潰す気か? 耳は大切な器官なんだって事知っての行為か!? もし今ので俺の三半規管が狂う事になったら……」 「三半規管?って、なにそれ? まぁいいや、聞いても分かんないし! で、それでなったら?……あれ陰山、聞こえててる?つーか、震えてる?」 「三半規管が狂うと自律神経も狂い、ぐるぐると目が回る様な眩暈が起こる。と、なればバランス感覚がダメになりそのうち歩行困難に……歩行が… なんて事をしてくれた貴様!」 「大丈夫、大丈夫!その時は俺がおんぶするから!」 「っつ、そう言う問題では無い!」 この笑顔で笑うバカは陽向(ひなた)と言う男で そう、俺と奴の接点は クラスメートである事以外、皆無 そして何がそんなに楽しいのか分からないが、常に笑っていて 周りに人が集まるいわゆる人気者と言う奴だ 着崩した学ランに、茶色の髪の毛 その髪の毛を女でも無いのにピンで止める、そんな俺では理解し難い頭をしている そいつが 昨日、何をトチ狂ったのか間違いでなければこの俺に 告白と言うモノをして来た

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