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第6話

結局… 時計を見ると14時を回った所だった。 院からの呼び出しもなく、調子にのった俺は涼太の躰を好き放題抱き潰した。 初めての涼太が初々しくて可愛くて仕方なくなった。 俺の言う事に健気に応える姿がどうしようもなく愛おしかった。 体の相性も悪く無かった。 いや、最高に良かったと思う。 強いて言えば生でしたかった…。 明日にでもメディカルチェックを受ける事を心に誓う。 もう自分が Claim(契約)する相手は涼太しかいないと思ってる。 俺のを注ぎ込み中に擦り付けたい。 commandも沢山使ってトロトロにしてやりたい。 俺の体液を流し込みたいDomとしての欲望が沸き起こる。 まぁ、この今は腕の中で静かに眠る愛しいこの子が目覚めた時に俺の手を取ってくれればの話だが…。 隣でうつ伏せで眠る涼太の目は赤く腫れている。 可哀想になり覆い被さる様に抱きしめて目元を舐め上げる。 「もうムリ」と泣いて乞う涼太を組み敷きゴムを換える以外は延々とその暖かく心地よい種床に居座り続けたのは他でも無い自分だ。 頬から耳裏に口付けを下ろす。 そして肩口…掛け布団の下の背中に手を這わす。 涼太の肌は滑らかで柔らかく、吸い付く様な肌触りがとても心地良く朱雀を驚かせた。 それでいて特に女の様に白い訳でも無い。 健康的でいつまでも触れていたくなるような手触りだった。 すーっと手を臀部まで下ろす。 引き締まったそこも自分に抱かれるうちに丸みを増すと思えばより愛おしく感じる。 「…ん」 「もう少し寝ていろ。  食事の用意が出来たら起こしてやるから」 チュッとキスを落とし、自分が涼太の躰にちょっかいを掛けていたにも関わらずよく言えたモノだと自笑しながら体を起こす。 さて、こんなものかな? 中途半端な時間になってしまったので夜は外食にしようとチキンドリアにポテトサラダにしてみた。 まぁ、家ではほぼ朝食にサラダしか食べない為、ご飯はレンチンの物しかない。 つまり他のメニューにしたとしても出来るのは精々オムライスか炒飯といったものしか作れなかった。 ただレンチンご飯の量も限られていた為、チキンとブロッコリーでかさ増し感のあるチキンドリアと、腹に溜まりそうなポテトサラダのチョイスだ。 さて、起こすか── と思った時、寝室からドタッと大きな音が聞こえて来た。 「涼太?!」 「☀︎%○×*」 涼太は声にならない悲鳴をあげて床に 蹲っていた ああ… 朱雀は頭を掻いて涼太の前に片膝を着くと その肩をそっと起こしてやる。 「朱雀さん…」 掠れた声が自分の名を呼ぶ。 その瞳に浮かぶ涙の破壊力たるや… 「涼太、【good boy】」 「ひゃあぁ」 カクンと崩れ落ちそうになる身体は朱雀の支えにより今は縋り付く形となり、朱雀の欲情を誘う。 ダメだぞ、自分。 初心者を初日から抱き潰すのは!!! 朱雀は在らん限りの理性を総動員させた。 「可愛いな…チュッ  ダイニングに行こう」 朱雀はそっと涼太を抱き上げそのまま一度ベッドに座らせると涼太をお姫様抱っこし、ダイニングに運ぶ 「ひゃっ」 と涼太の悲鳴が可愛い。 この反応だと初めての体験なのだろう。 行儀が悪いとは思ったが足でダイニングチェアを引き出すとそこにそっと涼太を下ろす。 「今クッション持って来てやるから少し我慢して」 朱雀がリビングからクッションを持って戻ると涼太はドリアに鼻がつきそうなほど近寄っていた。 「クスッ 食欲はありそうだな」 「これ、朱雀さんの手料理ですか?!  めっちゃキレーでめっちゃ美味しそう!!」 「はは、涼太そのまま【stay】」 ピクンと涼太の動きが止まる。 「ん、【good boy】。ほら、クッションだ。  腰の下に入れろ」 「ありがとう…ございます」 額にキスを落とすと自分も向かいの席につく。 「涼太、良い子。さぁ、召し上がれ」 涼太は一瞬ポッと頬を赤らめスプーンを取るとドリアのチキンを口にした。 「熱っ」 「おい、大丈夫か?」 「ふぁい、らいじょうぶれふ」 瞳に涙を浮かべる涼太にホントかよとツッコミを入れたくなる。 にしても、涼太の涙にはそそられる。 「少し足りないかもしれないが、夜は肉でも  食べに出よう」 はふはふとドリアを頬張る涼太がハイ!と元気よく応える。 朱雀がいつも相手にするSubは皆んな小さく触れたら壊れてしまいそうで、Domと言うだけで恐れ戦慄き、病んでる者が多く、久しぶりにこんな血色の良い健康なSubを見ている気がした。 まぁ、プライベートでも癖の多いSubがおおかったから本当に新鮮だ。 「このポテトサラダもうめーっ!」 「隠し味にオレンジジュースを入れてる」 「わっ、マジ?なんかおっしゃれー!」 はふはふと熱いのと格闘しながらも美味しい!と嬉しそうに食べる姿も愛おしい。 これは口の中は大変な事になってそうだな。 心の中で細笑む。 「ポテトサラダ、お代わりならあるぞ?」 「わっ、やりぃ♪貰う貰う!」 自然と笑みが溢れ心が潤う。 ポテトサラダを小皿に取り分け戻ると朱雀は涼太の隣に座った。 ?と不思議そうに見る涼太を笑顔で捉え、 朱雀はスプーンでポテトサラダを口に含むと 涼太に口の中のポテトサラダを見せる。 涼太がハッとそれが何を意味するか気付き その顔が朱に染まる。 朱雀は涼太の手を掴み引き寄せ、再度口を開ける。 涼太はおずおずとそれに応える様に顔を近づけて朱雀の口元を見つめると息を小さく飲み込み意を決して口を合わせた。 … 固くつむった瞳を開けると朱雀の黒い瞳が自分を見つめていた。 その瞳にはglareが少し滲み出ており、朱雀の言わんとする事がまざまざとわかる。 涼太は再度勇気を振り絞り口付けしたままの唇に舌を割り込ませる。 朱雀の舌上には溶け掛けた生温いポテトサラダがあり、それを舌で掻き寄せ咀嚼し飲み込む そして、ゆっくり口を開け朱雀に見せる。 「可愛い…【good boy】。よく出来ました」 朱雀のRe wordに顔がふにゃと緩むのが分かる。 涼太は腰の抜けた猫の様にいつのまにか朱雀の膝に上がり、その唇をペロペロと舐めていた。 「涼太…collar、一緒に買いに行ってくれる?」 朱雀は色気漂う笑みを浮かべ、艶のある雄の声で涼太を誘った。 涼太はSub spaceの入口ギリギリで踏み留まり、朱雀に縋り付きながら首を縦に振る。 それを確信した朱雀は涼太の顎を捉え、深く口付ける。 先程火傷して少し皮が剥けた上顎まで舐め上げられる。 痛みより多幸感の方が強く、涼太は朱雀のキスだけで朝から何度目か分からない絶頂を迎え、白濁と言えない薄まった液を振り散らし意識を飛ばした。

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