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プロローグ

想いの限り、愛撫し扱き上げたそれが、ビクビクと脈打つさまを俺は見つめていた。 俺の指が触れる全てが、絹のように滑らかで、甘い密に群がる虫のように、 ただただ彼の全てに魅せられて、独り善がりに快楽に溺れた……。 これまで押さえていた欲望が、鎖を解かれた獣のように、彼の裸身を貪欲に貪り食らいつくす。 快楽の(はざま)を越えた、発散できぬ絶頂の波を、彼の身体に刻みたくて…。 握り締めた指先の向こう、白濁した飛沫が午後の光に弾ける。 その瞬間、俺の初恋は、終わった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 俺とユウリの出会いは、何ら感激する事も特別な事もなかった。 俺が、いつも通っている市立の中学に、中途からユウリが通うようになった。 それだけだ。 クラスが一緒になることもなく、これと言って特別な思い出が有るわけでもなかった。 だからと言って、俺たちの関係が特別じゃないなんて、言うつもりは全くない。 俺とユウリの絆は同じクラスにならなくても、特別な出来事がなくても、特別なものだと俺は自負していた。 日常の中でお互いが認め合い、必要としていた。 俺達は…、少なくとも俺は、そう思っていたんだ……

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