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パンダと茄子とクリスマス 17

 ここは私の部屋、そういう展開になるにはおあつらえ向きの場所。このような状況になった以上、どんな不安があるにせよ、今さら拒絶するつもりはない。  それが大人の対応であるし、そもそも彼を部屋に誘ったのは私だ。だが…… 「ちょっと待……痛っ」  椅子に腰掛けていた私は立ち上がる際に脚をひねってしまった。  左の脚の打撲と骨にヒビが入っているという現実を忘れていたため、走る痛みに悲鳴を上げると、結城の表情が強張った。 「だっ、大丈夫ですか!」 「あ、ああ、たいしたことは……」  口では強がっていても、苦痛で顔が歪んでいるのが自分でもわかる。せっかくここまで盛り上がってきたのに、何たる不覚か。 「ど、どうしよう、病院に戻った方がいいのかな」 「平気だ、そんな心配はいらないよ」 「だけど、今度こそ骨折してたら」 「しつこいな、本人が大丈夫だと言ってるだろうっ!」  いつになくこだわりを見せる結城に対して、苛立った私が激しい口調で怒鳴りつけると、彼は脅えたような顔をして黙りこくった。気まずい沈黙が漂う。  ピーンポーン。  いきなり呼び鈴が鳴ったかと思うと、 「先生、羽鳥先生、戻られてますか?」  そう呼びかける声と共に、玄関の前で大勢の若者がわいわいと騒ぐ声がして、私たちは現実に引き戻された。

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