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第2話 - ①
変人・市 惣四郎
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(またか‥‥)
小さかった音が徐々に大きく、そして近づいて来る足音に変化する
頭ん中でカウントを開始し
スッと体を横にずらし、避けた
「ぬぉッ!」
闘牛のように後ろから突っ込んで来た奴は、すぐには止まれず危なく転びそうになりつつも
前方で何とかストップ
するや否や
「また今日もダメでしたかぁ~~」
悔しそうな顔を俺に見せてきた
「また、じゃッねェェェェェェ!
市ッテメェは毎日毎日、人に抱き着こうとしやがって」
「ボディタッチぐらい、イイじゃないですか!
ここでヤりたいのを、ブチ込みたいのを我慢しての抱き着き行為なんですから!!」
「さらっと何ほざいてやがる!!」
「神谷のケツがウマそうって事ですよーー」
「テメェ市コラァァァァァ!!」
デカい目をキラキラ輝かせたコイツは
市 惣四郎 ― イチ ソウシロウ
背は低いし、色白で色素の薄い茶色の柔らかい髪
学ランを着ていなければハッキリ言って女と間違えるほど
でも、あくまで外見だけで
口を開けば‥‥
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