「テメッどうやってここに来やがた！？」 「ん？どうやってって‥‥ 変な事を聞くなお前は？歩いてー‥‥」 「そ、そうじゃねェッ、ここに辿り着けた理由を聞いてんだ！」 「ああ。普通に神谷をつけた、それだけだ」 『それだけ』 コイツにとっては本当に簡単な事だろう でも、俺にとっては 有り得えない事 「クソッ、出ていけや」 「そうやってお前はすぐ噛み付く‥‥素直なのは兄貴の前だけか？」 （な！？兄貴‥だ？） 突然意図しないところから『兄貴』を出されて、心臓が止まりそうになる 「‥か‥関係ねぇだろーが、兄貴を出すんじゃねェェェ」 「それは嘘だな」 「テメぇッ」 「お前は‥‥」 「やめろ！！」 （こいつ、分かってやがる。俺が、兄貴に対して‥） 乃木の目 何もかも見透すコイツの目に見つめられると 逃げ出したくなる 「神谷は兄貴の事が好きなんだろ？兄弟でなく‥」 「ち、違ぇッ」 「その言葉も嘘だな」 「テメ、ゴラァァァァ」 徐々に近付いて来た乃木に 的を射すぎて心臓を痛い程突き抜けた言葉に それを止めたいが為、殴りかかっていた 「な！？くッ」 だが… その手は、しっかりと乃木の手の平に包み込まれてしまう