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第1章 第1話

 おい、あいつじゃね?  あ、あいつだ。  あの噂マジ?  先輩からマジって聞いた。  普通そうに見えるのに。  ねー!ちょっと良いなって思ってたんだけどなぁ。  あたしも!でも、ねぇ?  ものすごい変態なんでしょ? ―――――― 「ん、ふ、ング……はァ、ゔ、ゴフッ」  繁華街の喧騒から少し離れた薄暗い路地。人が二人並んで歩くのが精一杯な狭いそこで、俺は跪いていた。無様に跪いて、四十代くらいのサラリーマンのちんこを食べていた。 「ああ、良いよ……上手だねぇ。こんなに喉の奥に入れちゃっても平気だなんて…君はエッチなんだねぇ……」 「ンフ、おいひ……おじさんのおちんぽ、おいひぃ、れふ……」 「良い子だねぇ……おじさん、もう出ちゃいそうだよ」 「ァ、おっきい…良いよ、もう出して…俺が、ふぁ、全部ごっくんしてあげるからぁ……喉のおくに出ひて」  ビルのコンクリートに背を預けて立つおっさんの股の間で、跪いた俺が、おっさんのちんこをペロリと舐める。根本に軽くキスをして、そのまま裏筋をゆっくり舐め上げていく。先端の張り出した部分を丁寧に舐めて、もう一度、口いっぱいに頬張った。  歯が当たらないように気を付けながら、ジュルジュルとわざと音をたてて、喉の奥へ飲み込んでいく。圧迫感がとても苦しい。俺の髪を掴んでいるおじさんが、ぐりぐりと腰を押し付けてくる。  これでもかというほど奥にあたって、涙と唾液がこぼれ、軽くえずく。それもおじさんを興奮させるようで、まもなく、おじさんは大量の精液を俺の喉に放出した。 「ンンンッ、は、はぁ、おじさんのミルクおいひいよぉ!!」 「はぁ、はぁ…良かったよ。またおじさんのミルク、飲ませてあげるね」  おじさんは俺の頭を優しく撫でて、さっさと身だしなみを整えると、そそくさと去っていく。ひらりと、一枚宙を舞う諭吉。それが地面に落ちると同時に、俺は盛大にため息を吐き出した。 「何がおちんぽおいしいだよチクショウ!!」  諭吉を握りしめてポケットに突っ込む。入れ替えるように取り出したポケットティッシュから、何枚か乱暴に取って、汚れた口元を、これまた乱暴に拭った。 「オエッ、キモっ!」  これ見よがしに叫んでみる。が、別に気分が晴れるわけでもなかった。 「もぉヤダァ……死にたい……」  俺は別にゲイじゃない。男に興味があるわけでも、フェラが好きなわけでもない。  お金に困っているわけでも、断じてないのである。  なのになぜ、「おちんぽおいしいですぅ」なんて言いながら、見知らぬおっさんのちんこをしゃぶっているのかというと、そこにはマリアナ海溝くらい深い、深ぁいワケがあるのだ。  そのせいで大学では、変態と噂されるハメになってしまったのだが、そのワケというのを順を追って話そうと思う。  発端は先月の、俺の二十歳の誕生日に遡る……

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