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歯車は噛み合わない 13
ずっとひとりだったから、孤独の暗闇が嫌いだ。
孤独にはなりたくないけど、どう人を愛したらいいのかもわからない。
和臣の心が向かないのなら無いも同じだとずっと思っていたから、今さら他人に心を明け渡すことも怖くてできない。
周りはそれなりに誰かと生きていて、それは息をするのと同じくらい自然なことで。
でもそれが難しい俺からしたら、ただただきらきらして見えた。
幸せそうに笑う山田たちを見ていると心が暖まるのに、ふとした瞬間にひとりなんだと実感する。
人が聞けば、ただの僻みと思われるかもしれないけれど。
───…久しぶりに同級生と色々な話ができた飲み会もお開きとなり、山田は妊娠中の彼女を気遣い二次会は遠慮するというので俺たちも解散することになった。
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