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憂える胸を焦がす 8

「……え?」 思いがけず目を丸くしていると、和臣は眉を寄せた。 「え? って嫌なのか? 中学の時に約束しただろ!? まさか忘れたのか!?」 「い、いや忘れてないけど。和臣の方が忘れていると思ったから」 「忘れるかよ。俺はいつでも本気だ」 まさか、和臣があんな昔の約束を覚えているとは思っていなかったから、びっくりしたと同時に心底嬉しかった。 けど和臣は不満げな顔をしながら枝豆をつまんで口に入れていた。 そしてそれからも話は弾み、気がついたら22時を回っていた。 すると、酔っぱらって上機嫌の和臣はまた笑顔で俺に聞いてくる。 「今、陽斗は彼女とかいるの?」 「いや、いないよ」 「なんか俺が聞くとき、いっつも居ないよな~。なんでだろうな? 陽斗は頭もいいし、相変わらず綺麗な顔してるのに」 「だから男が綺麗とか言われても嬉しくないって」 そう言いながら、俺も和臣に付き合っている人がいるのか気になっていたりする。 「……そういう……和臣は、どうなんだよ?」 言っている最中に歯切れが悪くなってしまったけど。

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