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温もりが欲しいとか言えない 3

勝手に俺の話で盛り上がると、またあの話になった。 「中高の同級生だったら、野村くんの初恋相手も知ってるの?」 上原が和臣に訊ねると他の2人も興味津々に身を乗り出した。 「陽斗ってそういう話は極端に嫌がったから、聞いたことないんだよな~」 すると神崎は頬杖をつきながらあからさまに残念そうだ。 「千葉くんでも知らないんだ~。いまだに忘れられないってどんな子か興味あったのに」 「俺も気になる。誰だったんだよ? 今ならもういいだろ?」 「逆に今更だろ」 和臣の追及を交わしながら飲み物を口に運ぶ。 どんなに問い詰められようと声に出して言えるわけないけど、心の中ではお前だよって呟いていた。 ───… 帰り道、和臣と二人、駅まで歩く。 「陽斗の友達って個性的で楽しいやつらばっかりだな」 「そうだろ。飽きないよな」 「うん。それに皆、自分の仕事を全うしてて凄いと思う」 そういうと和臣は空を見上げながらこう続けた。 「俺はまだ学生で医者にもなってないけど、絶対になって陽斗と病院つくる!」

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