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残酷さえも手放せない 4
「あ、ごめん。いつの間にか寝てた」
そう言いながらふらふらと歩き、和臣は髪の毛を乾かしにいく。
その様子を伺いながら、床に敷いた布団の上に座った。
和臣が風呂に入っている間に、ローテーブルを端に寄せ、来客用に持っていた布団を床に敷いていた。
もともと家に人を呼ぶことをしないので来客用の布団とは言うものの名ばかりで、寝心地の良さより値段で選んだ布団だから疲れがとれるとは到底思えない。
髪を乾かし終えた和臣が戻ってきたので、ベッドの方を勧めた。
「なんで? 俺が床でいいよ」
「疲れてるんだろ? 床じゃ疲れ取れないだろ。俺は明日遅出だから気にすんな」
「でも、さ……」
「いいからさ」
強引に自分が床に敷いた布団にもぐりこむと、和臣はしぶしぶベッドの方へと移動した。
「明日も早いんだろ?」
「うん。でも、陽斗のお陰でここからだったらいつもよりゆっくりできる」
少し眠たそうな声を発する和臣に目を細め、俺は部屋の電気を暗くした。
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