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もの憂いげな純情 27
虚ろなままぼんやり眺めていると和臣が俺の前髪を優しく梳いた。
「陽斗がこんなにかわいいなんて知らなかった」
「……かわいいとか言うな」
「俺、キスばっかりしそう」
ばかじゃないのか。って思いながらも恥ずかしくて何も言えなくて視線をそらすと、また和臣は俺に啄むようなキスをする。
和臣をこんな風に見上げる景色は新鮮だった。
でも、この角度から見上げる和臣は慣れないだけでなく、組み敷かれているみたいで落ち着かない。
そんなことを思っていると、和臣が優しく目を細めた。
「やっと付き合ってくれる気になったんだな」
「…………」
「黙っても駄目だからな。キスしたら付き合うってことだって俺、言ったからな」
そう言いながら首筋に顔を埋めて和臣の鼻先が肌に触れたとき、思わず体がびくついた。
「わ、わかったから」
慌てて和臣の体を押し返すと、今までに見たことのないような最高の笑顔で俺を見ている。
「こっち見んな」
その視線から逃げるように今度は体ごと身をよじれば、不意に和臣の下半身に脚が触れた。
「え……」
間違いかと思ったが、そこには思いもよらぬことが起きていて、驚く俺を落ち着かせるみたいに和臣は「気にするな」と言う。
いや、でも。
気にするなと言われても……。
「……なんで勃ってんの!?」
気にしない方が無理だろ。
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