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もの憂いげな純情 37

濡れた視線が絡まれば、それから言葉は必要なくて。 ほぐれ切ったそこから指が引き抜かれると、和臣は慌てて自分のベルトを外し熱い自身をそこにあてがって喉を鳴らした。 そんな振る舞いも余裕がないと言われてるみたいで胸の奥がキュンとして痛い。 そして俺がコンドームに手を伸ばしたとき。 なぜかその手は阻まれて、和臣が喉の奥から絞り出したような声を出したんだ。 「このまま入れたい……」 「まってゴム……」 「このままがいい」 「絶対に駄目だ」 それでも和臣は首を横に振った。 「駄目だって」 本来の目的とは異なった使い方をしているからこそ、リスクがあるんだ。 ましてや和臣は医者の卵なのだ。知らないわけがない。 でも和臣は、まっすぐに俺を見つめてきた。 その思い詰めたような眼差しは、言葉と共に刺さる。 「このまま、陽斗が俺のって実感したい」 そんな目をして言うなんてやっぱりズルい。 体がさらに熱くなって、それだけで達してしまいそうになるくらい胸が高鳴ってしまうじゃないか。 でも、バカだなぁとも思った。 俺はさ……。お前がそう思っていなかったとしても、ずっと和臣のものだったんだよ。 小さく呼吸をして、首に手を回して和臣を抱き寄せる。 何でも許してしまう俺も大概だ。 でも、和臣と背負うリスクは不思議と怖くない。 耳元に唇を近付ける。 囁いた言葉が直接脳に響いて、和臣の中も俺でいっぱいになればいいと思った。

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