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もの憂いげな純情 39

水音と肌のぶつかる音と共に、余裕のない声は吐息混じりに響いた。 「陽斗、止まんない……好きに、動いていい?」 口を開けば喘ぎ声しか出ないから何度も頷くと、和臣の目つきは凄まじいほどに色っぽく変化し、それに煽られながら結合部は和臣をさらに締め付けた。 「ん…ん……ッ……あぁっ…」 さっきよりも激しく体をゆすられて快感だけが全身を駆け巡り、それに増して喘ぎ声も漏れ出てしまう。 あまり男の喘ぎ声なんて聞いていても気持ち良いものではないだろうと手で塞ごうとしたら、その手を和臣に掴まれた。 「あっ、な……んで……っぐ…ッ…」 「声、聞かせて」 「や……イヤ…だ…ぁ…ッ…」 「なんで?」 「気持ち……悪い、だ…ろ…ッ…んぁ……」 手を固定されたまま揺さぶられれば声を塞ぐことも出来ずにだらしない声ばかり漏れて、でも和臣はそれもかわいいと言うから恥ずかしくてたまらないのに少し嬉しく思ったり。 和臣が奥を突きあげ、せり上がってくるような感覚に何度も何度も体が撓っていく。 それはもうヤバイくらいに、全身頭から足の先まで熱くさせる。 目を開ければ、汗をかきながら俺の上で腰を振る和臣がいる。 それが紛れもなく本物なんだと、実感すればするほどに胸が一杯になって目頭が熱くなった。 泣きそうになるなんて変な話だけど。 「……かずおみ」 俺が絞り出すような声を出し、名前を読んだら欲に濡れたその目が俺を見た。

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