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恋しく慕わしい 21【終】

この穏やかな温もりを手放したくない。 先のことなんて誰もわからないけど、いつまでも和臣と肩を並べて歩いていきたいと思うんだ。 そんな風に思えるように気持ちが変化したこともにも驚いたけど、そう思えば思うほどに内に押し止めていた感情があふれだしてくるのがわかる。 また和臣の胸に顔を埋め、腕の中に収まりながら気付かれないように深呼吸した。 まずはこの状況に慣れることから始めなくてはいけないな。なんて思っていると少し笑いが込み上げてくる。 温かいこの腕を離したくない。 そして、和臣の夢を、俺の夢を、絶対に叶えたいと思うから。 「俺は和臣の最高の目と腕になるよ」 小声でぼそっと呟けば和臣は「何か言ったか?」と聞いてきた。 「なんでもない」 そう言いながら和臣の背中に回した腕に力を入れた。 そして目を瞑って想像する。 何年後かの自分たちの姿を。 白衣を着こなした和臣が颯爽と病院の廊下を歩いている。 看護師に「院長先生」と呼び止められてカルテを見たりして。 そして和臣の大事な患者さんたちを俺が検査するんだ。 心を込めて迅速に、でも見落しのないように。 そして一人でも多くの人を助けたい。 だから今は経験を積み腕を磨き、一歩一歩、確実に前に進んでいこう。 そんな夢のような話を現実にさせたいから。 いや、夢のようなじゃないな。 実現に出来ると信じている。 和臣となら、きっと。 劣情メランコリック 【終】

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