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純情オレンジ 1

親友だった陽斗と付き合い始めて、3ヶ月が過ぎようとしていた。 相変わらず毎日は忙しく、こなさなければいけないカリキュラムに加えて課題も多いけど、時間を作っては陽斗の部屋に押しかける日々を過ごしていた。 そして今日も、自分の部屋にいるより落ち着いて集中できる陽斗の部屋に押し掛けては勉強をしている。 付き合うことになって初めて泊まった朝から計画的に少しずつ自分の私物を陽斗の部屋に持ち込んでいた。 今では自分用の歯ブラシ、マグカップ、本、洋服、部屋着等々、我が物顔で陽斗の部屋に置いてあるわけで。 内心、陽斗はうざがっているかもしれないが、何も言わずに置いてくれていることを良いことに今に至る。 陽斗は俺が今まで3ヶ月以上付き合いが続かなかった事実を知っているから、少し強引にしたというのもあるんだけど。 レポートを作成する手を止めて雑誌を読んでいる陽斗に話し掛けた。 「なぁ、陽斗。俺の事を気になり始めたのっていつ?」 「……は!? なんだよ。いきなり」 思いもしない質問だったのか陽斗は目をしばたたかせた。 「知りたいと思ったから」 「……いつでもいいじゃん」 陽斗とは中2のときに同じクラスになって友達になったが、俺が初めて陽斗を知ったのは中1のときだった。

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