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純情オレンジ 27
八つ当たりに近い理不尽にも、なぜか陽斗は本当に可笑しそうに笑ったんだ。
「ばかだなぁ……」
「なっ、俺は本気で」
こっちは真剣に悩んでるのにどうして笑っているのかと言おうとした時、陽斗がまたフワッと柔らかな笑顔を見せ、俺の頬に手を添えた。
「ずっと俺は、和臣に抱かれる事だけ想像してたんだ」
そして陽斗は俺の首に手を回し、強く抱きついて、耳元で囁くように言った。
「……頭の中で俺のことを抱いてたのは、最初からずっと和臣だけだよ。だから、俺は和臣しか知らない」
そんな言葉で騙されたりしないんだと強く思うも、艶っぽく囁かれた声は脳に直接響くようでぞくぞくする。
陽斗は俺の耳にそっと口付けると、俺にしがみつきながら足を絡めて自ら腰を振った。
「和臣……」
切なく俺の名前を呼びながらキスをせがんでくる陽斗に堪らなくなって、ぐしゃぐしゃっと自分の頭を乱暴にかきむしり、腰を引いて再度打ち付けた。
「んあぁッ──…」
「陽斗! 誰にも見せないで! 俺だけにして!」
「だから、あっ…そう、…言ってる……んぁ…」
言い様のない沸き上がる独占欲にたまらず激しく腰を打ち付けながら陽斗の鎖骨あたりに噛みついて歯形を付けた。
「んっ……っ…んあ…」
うっすら血の滲む肌を見つめながらさらに激しく腰を使えば、また甘い声があがる。
「あ、あぁ……んっ、ん…んぁ…あぁ…───」
好きで好きでたまらない気持ちがどんどんと大きくなっていく。
今までこんなにも嫉妬したことも、執着したことも、こんな激しい情欲を感じたこともない。
全部残さず自分のものにしたい。
自分のにしなきゃいけないと思う。
誰にも見せたくない。
頭の中がどんどん支配されていくみたいだ。
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