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純情オレンジ 26

たぶん、本人は俺に聞かせるつもりで言ったんじゃないのはわかるけど。 「それを言うなら俺だって同じだよ」 思わず声に出してしまっていて、陽斗が目を見開いた瞬間、体ごと引き寄せてキスをしながら、そのまま反対側に陽斗のことを押し倒した。 その時、カーテンが揺れて、その隙間から月明かりが陽斗を照らし、俺を見つめる目は恐ろしく綺麗だと思った。 「陽斗……すげー綺麗」 まるでうわ言のような声しか出てこず、教えられた好きだというそこを何度もこすりながら奥へ奥へと腰を打ち付ける。 「あぁっ……っ…んぁ、かずおみ……あぁ」 陽斗の体がこんなに快感を得ることも、手順になれているのも、それは豊富な経験が物語っているわけで。 俺は、いつも鈍い自分が嫌でたまらなくなる。 ふと、夕暮れ時に水道で水浴びをしていた中学生の頃の陽斗を思い出した。 きっと最初に出会ったときから惹かれていたはずなのに、あの時に気付いてさえいれば陽斗の初めては全部俺のものだったかもしれないのに。 なんて、今更なことばかり思ってしまうからだ。 「俺だって嫉妬するんだよ」 「あっ、……何に、だよ……ッ……」 全てに決まっているだろう。 「自分でもこんなに嫉妬深いなんて思わなかった」 勢いよく奥まで突き上げると、そのまま強く抱き締めた。 「陽斗が俺以外を知ってることも、気持ち良さそうな声も表情も俺以外の奴が見て来たことも全部だよ」 ほんと、情けないと思うけど。

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