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第40話 強引な情交の始まり

 俊は淫らな大人のキスに翻弄されて、ぐったりと桐谷にもたれかかってしまっていた。  桐谷はそのまま彼を横抱きにさらい上げる。 「……先輩っ……? なにするんですかっ!? 降ろしてくださいっ!」 「そんなに暴れたら、落っことしちゃうよ、俊」  俊は手足をばたつかせて抵抗してきたが、桐谷も伊達に警察で体を鍛えているわけではない。俊を抱く腕はしっかりと力強く、足元も決して揺るぎはしない。  リビングの奥にあるドアを蹴り開けるようにして中に入ると、そこは寝室である。  桐谷は俊をベッドへ降ろすと、彼の上に伸し掛かった。 「やだっ……、なに? やめてくださいっ……先輩っ……」  悲鳴に近い声をあげて、俊が拒絶を表す。  桐谷は彼のハーフコートを脱がしてしまうと、その下に着ているシャツを力任せに引き裂いた。 「やめっ……、なにをっ……」  両手をムチャクチャに振り回して暴れ、体全体で抵抗してくる俊を押さえつけ、引き裂いたシャツで彼の両手首を縛った。  両手の自由を奪われ、俊の瞳に怯えの色が浮かんだ。……桐谷の胸が痛む。  それでも、桐谷は止めなかった。俊の体から引き裂いたシャツの残骸を取り去り、ジーンスを下着ごと脱がせてしまう。  あらわになった彼の裸体は、まだ少年の危うさを残していた。俊が唇を噛みしめ、桐谷から目を逸らす。  桐谷はいったん俊から体を離すと、自分も素早く衣服を脱ぎ捨て、再び俊の上に覆いかぶさった。  素肌と素肌が重なる……。

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