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第41話 強引な情交
「好きだよ……俊……」
耳元で甘く囁き、唇を俊の耳の後ろから首筋、鎖骨へと滑らせていく。
いつもの優しい先輩ではなく、俊を……愛する人を、求める雄の荒々しさを含んだ桐谷の愛撫に、俊が頭を横に振りながら逃げようとする。
「や……やだ……、桐谷先輩……やだっ……」
ずっと抵抗し続けて体力がつきてきたのか、俊の抵抗は徐々に弱々しいものになってきていた。
桐谷の唇が俊の小さな乳首に吸い付いたとき、彼は頭を大きくのけ反らせた。
「やっ……」
桐谷は唇と舌で彼の薄い色をした乳首を吸い上げ、舐め、そして歯を立てて少し強く噛んだりして、いたぶった。
「いたっ……、やだっ……んっ……」
乳首への愛撫は痛みだけではなく、もどかしい快感をも俊に与えているようで、その声にはかすかに艶っぽさが混じっている。
それでも桐谷の愛撫は、こういう行為にはまったくの初心者であろう俊にとっては乱暴なものだった。……桐谷がわざとそうしたのだから。
俊の瞳に、未知の行為への怯えの涙が滲んでいるのを見て、桐谷は胸が痛んだ。
……ごめん、俊。
きっとおまえは、このようなことにはすごく奥手なんだろう。
初めてだから、本当はうんと優しくしてあげたい。……でも多分、今のおまえにはそれではだめなんだと思う。
乱暴なくらい激しく交わることで、おまえの中から苦しみや悲しみ、そして過去を追い出してしまいたい。
オレに抱かれているひとときだけでも、すべての屈託を忘れて欲しいから……。
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