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チェインジング・ダーリン7

 李はひとまず持参してきた銃器類をアタッシュケースから取り出すと、装備用の防弾ベストとホルダーを周へと差し出した。 「状況はどのようです?」 「地下からの爆発音の後、館内の照明がすべて落ちた。非常灯も点かねえことから電気室を爆破したと思われる。冰と、おそらくはカネも会場内にいて、他の招待客と共に人質になっている可能性が高い」  李へと経緯を説明しながらスーツの上着を脱ぎ、防弾ベストを装着。拳銃をホルダーへと収めてから再び上着を羽織る。それらを機敏に補助しながら、紫月の方にも劉が防弾ベストを差し出した。 「こちらも源次郎さんから詳細が届いています。鐘崎の若さんから爆発音の少し前に応援の要請があったそうで、どうやら犯人はこの宝飾店に鉱石を卸す取引相手に選ばれなかった業者の仕業ではないかと。送られてきたのはファックスでの脅迫文が一通のみ。内容から、経済的に締め付けるというよりは人命を危険に晒す可能性が高いテロ行為を計画していると思われるそうです」  李と劉の説明で大まかな動きが見えてきた。 「なるほど。あそこに大型バスが待機しているところをみると、やはり人質を詰め込んで移動する算段のようだな。この場で立て篭るのは分が悪いと踏んでのことだろう。その後の行動はまだ読めんか」  周が独りごちる。  すると、やはり睨んだ通りか出口からゾロゾロと招待客と思われる一団が姿を現した。彼らを取り囲みながら目出し帽で顔を覆った男たちが威嚇するように皆をバスへとうながしている。男たちの手には銃が握られており、その慣れた仕草から訓練を積んだ武装集団という印象が窺えた。 「やはり人質を連れてここを離れるようだな。追跡の手配はできているな?」  周が問うと李は即座にうなずいた。 「はい、この周辺の路上にすぐに動けるよう五台を待機させています。バスが駐車場出口から左右どちらへ向かっても即座に追跡可能です」 「よし。では俺たちも分散して乗り込むとしよう」 「それと、周辺の道路事情ですが、一般道は取り立てて渋滞はないものの空いているとはいえない状況です。北へ向かう高速道路に一箇所工事渋滞が見られますが、他は概ねスムーズに流れていると言って良いでしょう」 「分かった。ヤツらもバスを取り囲むように分乗して移動するだろうから、気付かれんようにこちらも五台を分散させて走らせてくれ」

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