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第1話
男同士でも婚姻が出来るようになってはいるがやはり未だに認めたくないといった人達もいる。
男性しか愛せない俺には胸を張って生涯の伴侶を見つけやすくなったと思っていた。
「笹川慎(ささかわしん)様。」
「はい。」
「お迎えに参りました。」
大学4年の卒業式の日に高級車で迎えに来たのは婚約者の執事。
2年前、俺の父親の経営が上手くいってなくて大企業の社長から父親の会社に援助するかわりに次男の婿養子になるようにと言われた。
俺はすぐに返事が出来なくて悩んでいたら父親に頭を下げられてお願いされたんだ。
拒めずにまだ会ってもいない次男と結婚する事を決めた。
卒業式の今日から俺は次男と屋敷で暮らすことになっている。
身の回りの物は全て用意するとの事だから何も持たずに実家を出れば良かった。
思い出のある物なんて持っていったらきっと後悔しそうだから俺は全て実家に置いていく事にした。
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