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第28話

薬が効いたのか次の日の朝にはすっかり熱は下がっていた けど、病み上がりで体がめっちゃダルい 「大丈夫かー?」 学校に行き教室に入ると1番に颯太が声を掛けて来た そう言えば昨日颯太からのメールに返信するの忘れてた 『若干ダルいけどもう大丈夫。それよりお前昨日……』 「そうそう!朔夜先輩が昨日また教室に来てさぁ、憂んち聞かれたから教えちゃったけどいいよな??」 『その先輩が昨日うちに来たよ』 「マジで!?」 おっと、誰に聞かれるかわからん そう思い小声で喋る 『なんかお粥作ってもらっちゃった』 そう言うと颯太は更に驚いた 「マジか!!お前超愛されてんじゃん!!」 『しーっ!声が大きい!ってか愛されてるって何だよ。お粥作ってくれただけだろ』 「いやいやいや、何とも思ってない奴にそこまでしないだろ」 『まぁそうだけど……あの人優しいし気まぐれで作ってくれただけと思う。けど俺寝ちゃってて……知らない間にお粥があって知らない間に先輩が居なくなってたって感じなんだ』 「お前が寝てる間に用意して何も言わず立ち去る……くぅーっ格好良過ぎ!憂が羨ましい!」 『や、やめろよ何だよ』 1人で騒いでいる颯太を引き気味で見つめた後俺は自分の席に着いた 先輩、あれから返信なかったけど忙しかったのかな……忙しい中せっかく来てくれたのに、しかも飯まで用意してもらっといて寝ちゃうなんて申し訳ない事をしてしまった 授業中そんな事ばかり考えてしまって先生の話を全く聞いていなかった。ま、いつも聞いてないけどね もしかしたら今日の昼休みも教室に来てくれるかも……そう思っていたけど来る気配がない メールの返信は相変わらずないし、しつこく送っても迷惑だろうし……かと言って3年の教室に行く勇気なんか俺にはない 中庭に行けばいるかな?そう思って中庭に向かってみたけど……居ない 諦めてトボトボと自分の教室に帰る途中、偶然尾澤会長と遭遇した 『あ、こんにちは』 「君は……図書委員の子でしたね。こんにちは」 丁度良かった!会長って確か朔夜先輩と同じクラスだったよな 『すいません、今日朔夜先輩って……』 「朔夜?ああ、朔夜は今日欠席していますが……」 『えっ?どうしてですか?』 欠席って聞いて嫌な予感がした。もしかして俺の熱が移っちゃったんじゃ…… 「さあ、無断欠席なので何とも。ところでお名前を伺っても?」 『あ、憂って言います』 「憂君ですね、ありがとうございます。私の名前はご存知ですよね……よければ明日朔夜に何か伝えておきましょうか?」 『いえいえ!大した用じゃないんで大丈夫です!あ、俺そろそろ教室に戻るんで……ありがとうございました』 そう言って俺は軽く会釈し尾澤会長から離れた 無断欠席ってどうしたんだろう。やっぱり熱が移って倒れてるんじゃあ…… 『尾澤会長すいません!』 俺は再び会長の元へ戻り朔夜先輩の家は何処か聞く事にした 颯太とは違い尾澤会長は簡単には教えてくれなさそうだけど .

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