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第29話

「さぁ、私も朔夜の家は知らないんですよ」 『そうですか……』 そう言えば転入して来て間もないって言ってたっけ 仲がいいとは言え家なんて知ってる訳ないか 『ありがとうございました』 そう言って再び会長から離れた 仕方ない、放課後もう1度先輩に電話してみるか だけど本当に俺の熱が移って家で倒れてたらどうしよう……そう思えば思う程だんだん不安になりますます授業なんかに集中出来なかった そして全ての授業が終わり、学校を出る前に俺は朔夜先輩に電話を掛けてみた 『…………やっぱり出ないや』 携帯をポケットの中にしまい学校を出た 考えれば考え込んでしまう性格だからこういう時自分でも自分が面倒臭い 気にし過ぎって言われるけど1度考えてしまうとそればかりになってしまう 朔夜先輩、大丈夫かな…… 帰宅し、家でのんびりしていると夜に着信があった 朔夜先輩だ! 『もしもし!』 俺は直ぐに電話に出た 〈連絡くれてたよね?返事出来なくてごめんね。調子はどう?〉 『いやっあ、お粥ご馳走さまでした!俺寝ちゃってて……ごめんなさい。けどおかげで熱も下がって元気になったよ。朔夜先輩今日学校休んでたみたいだけど大丈夫?』 〈あー連絡するの忘れてた。俺は大丈夫だよ、ちょっと用事があってね。元気になって良かった〉 『うん……』 良かった。体調崩して休んでた訳じゃなさそうだ あれだけ不安だったのに、先輩の声を聞いた瞬間安心した 〈明日は行くからね〉 『うん。あ、そう言えばいくらだった?何か色々買ってもらっちゃってて……それに洗い物とかまで』 〈気にしないで〉 『そう言う訳にはいかないから!この間も奢ってもらってるし。せめて俺に何か出来る事ない?』 〈んー……じゃあ明日キスしていい?〉 『え!?』 びっくりして携帯を落としてしまった 〈嘘だよ。本当憂は面白いね〉 『もう!何言ってんだよ!そう言う事は男の俺じゃなくて彼女にでも言えよ!……あ、偉そうに言ってごめんなさい』 電話の向こうで朔夜先輩が笑ってる 〈ふふっその調子で普段からもっと素の憂になってよ。……じゃあ明日昼休み中庭で待ってるね〉 『うん、わかった』 そう言って電話は終了した 先輩が言う事は冗談でも冗談に聞こえないからマジびびる 俺の心臓はしばらくドキドキしたままだった ん?何だこのドキドキは?? .

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