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第47話
自炊なんかする事ないけど楽しい楽しいフライパン選び〜
さてさて、1番安いやつはどれ……
「えーっと、あとこれもだよねー」
いつの間にかカゴの中は大量のキッチン用品で溢れていた
見た事ない物ばかりだ。一体何に使うのかさっぱりわからん
何だあの変な形のスプーンみたいなやつ。あとあれは計量カップか?んなもん男は黙って目分量だろ!なんて心の中で思ってみたり……何を買おうがその人の勝手だけどね
『先輩も買うの?』
「そうだよー」
買い替えかな?
先輩料理めっちゃ上手いし普段から自炊してんだろうなー。俺もちょっとは見習わなくちゃ
端っこにあった1番安いフライパンを手に取り先にレジに並んだ
先輩は……まだ何か選んでるし
そして先輩の周りには幅広い年齢の女性達が群がっていた。何か話しかけられてるっぽいけど……相変わらずモテてらっしゃるようだ
「おまたせ〜!」
『凄い量!どれか持つよ』
「本当?じゃあこれお願いね」
そう言って渡されたのはさっき買った俺の服……そう言えば先輩に持ってもらったままだった
『や、これもだけど他にも……』
「さて次行こうか」
『う、うん……』
きっと何を言っても聞いてくれないな
次ってまだ他にも見たい物でもあるのか?
そして先輩について行って到着した売り場は寝具物……
「憂はどう思う?こっちのシングル?それともセミダブル?あ、ダブルで一緒にってのもいいよね」
『えー話がよく見えない』
「ベッドの方が本当はいいんだけど憂んちベッドないからねぇ……この際ベッド買っちゃう?」
『いらない』
「えー?」
買うって言ったら本気で買いそうなのがこの人の恐ろしい所だ
えーっと、ベッドだと……うん、値段がヤバい。桁が違う
ってかこの人は俺んちに布団を持ち込もうとしているのか?いやいやそれは流石になぁ、あはは
「よし決めた!ダブルにしよう!これだったら一緒に寝ても布団から体が半分出る事はないよね!」
『ちょっと待った!!』
「何が?」
『一緒に寝るとか言ってる事がよくわからない!先輩自分んちあるんだよな??もしかして俺んちに置く布団を買おうとしてる?』
「……ダメ?」
『却下!』
先輩の腕を無理矢理引っ張って行き寝具売り場を離れた
「ちょっ人が沢山いるのに憂の方から手繋いでくれるなんて嬉しいね」
『手なんか繋いでないし!腕引っ張ってるだけだし!!』
この人は一体何を考えてんだか
「何か見に行きたいの?」
『ゲーム!』
「憂は本当にゲームが好きなんだね」
『まあね』
そのまま先輩をゲーム売り場へ連行した
俺が本当に買い物を楽しむのはこれからだ!
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