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第97話

「ごめんって、ね?」 『……』 「機嫌直して」 『……』 「少しやり過ぎちゃったよ。反省してる」 『……』 「汚れた下着はちゃんと洗うから」 『そういう事じゃない』 もう恥ずかしくて死にそう 自分でする事はあってもまさか先輩にされるなんて…… や、それも動画でやってたけどまさか本当にするなんて思ってなかった やはりあの動画は現実なのか 先輩に背中を向けてぐったりとソファーにもたれ掛かりながら部屋の隅にいるルンバをぼーっと眺めていた 「何か飲む?」 『……コーラ』 「はいどうぞ」 『ん……』 片手で受け取りペットボトルに口を付けてちまちま飲む 「ご飯にする?それともお風呂にする?それとも……」 『お風呂がいい』 「全部言いたかったのに……わかった」 先輩は準備をしに浴室へ…… 『はぁ…………』 いつまでもこんな態度でいる訳にはいかないよな せっかく先輩んち泊まりに来てるのに 確かに気持ち良かったのは事実だ 久しぶり過ぎてあっさりだったから余計に恥ずかしい だけどあんなタイミングであんな…… 悔しい…… 触る事は出来なくてもキスならもう何回もしてるから出来るような気がする いつもされてばかりだし俺からとなると先輩も絶対に驚くはずだ 変に負けず嫌いな俺はこの時妙にムキになっていたんだ よし、今日は俺から先輩にキスしてやる…… 絶対にびっくりさせてやるからなこんちくしょーめ と謎の闘志を燃やしていると先輩がリビングに戻ってきた 「鳴ったら適当に入ってて。俺ちょっとやる事があるから」 『やる事?』 「うん」 『何?』 「ちょっと課題でね」 『ああ、うん。わかった』 そして聴き慣れたお知らせ音が鳴り、俺は浴室へ向かった 『……おお!』 中に入ると浴槽の中は白いフワフワな物体で溢れかえっていた いい匂いがする……もしかしてこれって 『先輩!』 「……裸」 『タオルで巻いてるし!ってかあれってもしかして泡風呂!?』 「そうだよー」 『俺人生初なんだけど!やばいテンション上がる!どうやって入ればいいの?やたらいい匂いなんだけどあれって泡だから食えないよね!?』 「絶対食べちゃダメだよ!!普通に浸かって上がる時に体についた泡をシャワーで流せばいいだけだからね。良かった、機嫌直ったみたいだ」 『了解!』 生まれて初めての泡風呂…… よくテレビで子供が頭に乗せたりブラジャーとか言って全身泡まみれにしてるよな 俺もやってみよう .

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