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第110話

俺は昨日、先輩と一線を越えてしまった 男同士のわーわーギャーギャーを遂にしてしまったんだ 『う……』 そして朝になって目が覚めてからもベッドから起き上がれないでいた 2人して布団の中でゴソゴソ 『……だ、ダメってば』 「んー?」 『先輩っ……』 「あ、また先輩って言った」 『違っ……あっ』 先輩の事を名前で呼ぶ…… そう調教されている最中の俺は朝っぱらから色々と拷問を受けていたんだ 『も、もう勘弁して……』 「次はどこを舐めようか?」 『そんな急に呼び方変えるなんて無理っ……ぅぐ!!』 こ、腰が…… 「大丈夫?」 『大丈夫じゃないかも……』 「抱っこしてあげようか?」 『いい!』 手をついてベッドから抜け出そうと頑張った だけど足がガクブル過ぎてヤバい しかも腹筋もかなり痛い 『ぐっ……』 「全身凄い力入ってたもんねぇ。ほら手貸して」 『大丈夫!!』 そんな介護みたいな事されたら恥ずかし過ぎてたまったもんじゃない 気合と根性でベッドから降り、腰を曲げながらフラフラとリビングへ向かった 「憂、下着忘れてる」 『ん?……ああっ!!』 言われて自分の姿を見てみると何も身に付けてなかった 『ちょっ!タンマ!あっち向いて!』 「下着はここだよー」 『ぐっ!』 先輩が俺の下着を持ってこっちへやって来た 『自分で履け……ぅぐ!!』 「ほら、足上げて」 拷問の次は辱めを受けた こっちの方が数倍恥ずかしい思いをしてしまった それだったらまだ介護みたいな方が良かった…… 「まだ痛む?」 『俺は心の方が痛んでる』 「慰めてあげようか?」 『いい!』 隣でクスクスと笑う先輩を見て苛々とドキドキが混じった感情が渦巻いた そして俺はまだ先輩を直視出来ないままでいた 先輩が綺麗過ぎて…… 『顔洗って来る』 「連れて行ってあげるよ」 『いい!!』 また腰を曲げたままフラフラと歩き洗面所へ…… 『はぁ…………ん!?』 鏡に映る自分の姿を思わずじーっと眺めた あれ? 消えた筈の痣が体の至る所に沢山ついていた なんか見覚えのあるちっこい痣が… 『先輩!!』 俺は腰に手を当てながら再び先輩の元へ…… 「もぅ、また先輩って言ったね」 『何かまた痣だらけになってんだけど……この痣って前に首についてたと思うんだけどこれって……』 「ん?この間?あー……うん、知ってる。俺がつけたから」 『俺がつけた?まさか……』 「さてと、ご飯の用意でもしようかな」 これが噂のキスマーク!!! あの時は他にも怪我だらけでわからなかったけど今だったらはっきりとわかる だからバイトのおばちゃんや颯太に過剰反応されてたのか!!! 恥ずかしい!!! 『んん!!』 咄嗟に動けない事をいい事にいきなり先輩にキスされた 「さっき先輩って言ったから」 『ぐぬぬぬ……』 「ん?まだ足りない?」 ニヤニヤしながら顔を覗き込まれた 『だ、だって恥ずかしいじゃんか。……朔夜のバカ』 「……!!」 今度は先輩の顔が真っ赤っかになった なんじゃこのやり取り…… .

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