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第125話

帰り支度をしていると、勝哉さんに声を掛けられた 「お前この後何か予定ある?」 『え?』 「颯太郎とふら〜っと行こうと思ってよ。お前もどうだ?」 『颯太と?何処に?』 帰り支度を済ませた颯太がこちらにやって来た 「おー!お前も行くだろ?」 『俺?俺は……』 「行くよな?」 颯太が目で必死に何かを訴えかけてきた 確かに勝哉さんと2人で遊びに行くのは勇気がいる 仕方ない…… 『わかった。朔夜に連絡だけ入れるからちょっと待ってね』 そう言い、何処に行くのか知らないけど3人で遊びに行ってくると素早く朔夜にメールを打った 「おおっ!結構広いなー」 「俺は初めてっす!」 『俺も』 3人でやって来たのは3駅先にある大型のゲームセンター ゲームの他にカラオケやバッティングやボーリングも出来たりしちゃう凄い所 こういう場所って土日は人混みヤバそうだけど今日は大丈夫そうだ 「さて、バッティングでもやるか!」 『え!?俺やった事ないです!』 「いい機会だからやってみろよ。俺お前のバッティング見てみたいし」 『どうせ笑い者にするつもりだろ?』 「さあ?」 勝哉さんに続き俺達もバッティングコーナーへ…… 「よっしゃー!ホームラン!」 「凄っ!!」 『おおーっ』 勝哉さんのフルスイングは見事にホームラン ボールがバットに当たった瞬間の音がびっくりするぐらい大きくて肩がビクついてしまった 「んーまずまずだな」 「勝哉さんって野球経験ありっすか?」 「中学の頃な」 「すげぇ……あ、次俺の番っすね」 バットを手に持ち次は颯太の番 「よっ!」 『おおっ当たった』 当てたりかすったりとまぁ普通な感じで終わった 問題は俺だ 『えっと、ここに立てばいいんですか?』 まずはここから 「レベルも下げたし、あそこからボールが飛んで来るからこの辺狙って打てばいいだけだ!頑張れ」 『お、おう』 そして構えて待っていると、ボールが勢い良くこちらに向かって飛んできた 『う、うわっ!』 びっくりして咄嗟にバットを振ったのはいいがそのままバットそのものを投げ飛ばしてしまった 「おいおいマジか!」 『あはは……』 店員さんごめんなさい 結局1球も当てられずバッティング終了 見事2人に大笑いされた 次に3人でカラオケ 個室に入って誰が1番に歌うか揉めた挙句俺が最初に歌う事に…… 「おー!チビ助お前バッティングは糞下手だったけど歌は上手いな!何の歌か知らねーけど」 『いやーっ』 家にいる時よくYooTubeで音楽かけて1人で歌ってる成果が今出たな インドアなめんなよ 次に歌うのは勝哉さん よくCMとかで聴いたことあるような今流行りの歌だ これはこれで勝哉さんらしい しかしこの問題は颯太だ ノリはピカイチ、だがめっちゃ音痴…… これだけは中学の頃から変わらんな 「まぁ楽しかったらいいんじゃねーか?」 「ですよね!」 『うんうん』 カラオケを出てそばに自動販売機があるベンチに座って雑談 なんだかんだ言いながらめっちゃ楽しかったな 颯太と遊びに行くのも超久しぶりだったし 「ほれ」 「あっ!ありがとうございます」 「ん」 『えっいいんですか?』 「おー」 勝哉さんにジュースを奢って貰っちゃった やはりいい人だ 「カラオケって声出すだけなのに体力使うよな」 「そうっすね」 『相変わらず颯太は音痴だったな』 「うっせー!バット投げ飛ばす奴に言われたくねーよ!」  ……と、先程の成果をわいわい 「UFOキャッチャーやるべ」 『おー!』 「んじゃあ俺は一服行ってくるわ」 「了解っす」 ここで一時的に勝哉さんと別行動になった .

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