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第141話
『…………ひっ!』
いきなり寒気がして鳥肌が立った
な、何だ?
「どうした?」
『いやっ何か急に鳥肌が立ったからびっくりして』
課題プリントを必死こいてやる俺の隣で同じく勝哉さんの席を借りてプリントをやる颯太
「ったくせっかくの昼休みが丸潰れだよなー!」
『はぁ、点数悪いだけで何でこんなのやらなきゃいけないんだろーな』
「ちゃんとサボらず受けたんだからそれでいいよな」
『そうだな。あっ5番の答え何になった?』
「えーっと……」
2人協力プレイ
「勝哉さん帰って来ないな」
『一服行くって言ってたよね?それにしては長いしまた誰かと喧嘩してたりして』
「有り得る」
『でも大丈夫なのかな?勝哉さんも課題プリントあるんじゃ……』
「ま、まぁ何とかするだろ」
一応きちんとやる真面目な俺達。うん、偉い偉い
「ってか朝から思ってたけど寝癖凄いな」
『やっぱり?起きた時朔夜にも言われたよ』
あっちこっちに跳ねまくる俺の髪
水で濡らしただけじゃ直らなかった
「起きた時って……またお泊まりか!?」
『ん、朔夜んちにね』
「リア充」
『またかよ』
「もう一緒に住んじまえ」
『それ朔夜にも言われたよ』
「言われ……マジか!で、一緒に住むの?」
『住まない住まない!俺にも色々都合があるんだよ』
「お互い1人暮らしなんだろ?頻繁に寝泊まりするんだから一緒に住めばいいのに。行ったり来たり色々面倒臭くないか?」
『大丈夫だよ』
「ふーん。俺だったら即同棲するけど」
『よし終わった!』
課題プリントを無事終わらせ一息ついた
「俺も終わった」
『マジだるい。あとちょっとで昼休み終わりだし』
「唯一ゆっくり出来る時間なのにな」
『うん』
昼休みは会えなかったけど今日の夜にはまた朔夜に会えるもんね
昼休みが終わって授業が始まっても勝哉さんは戻って来なかった
眠い眠いってずっと言ってたし、保健室で寝てるのかな
「いつまで寝てるんですか。もう昼休みは終わりましたよ」
生徒会室のソファーで寝転んでいる勝哉
「会長さんこそチャイム鳴ったぞ」
「貴方がいるから鍵を閉められないんですよ」
「まぁいーじゃねぇか。気にすんな」
「全く……」
何だかんだ言いながら教室に戻ろうとしない尾澤会長
「んで、このクソ暑い中何でマスクしてんだ?」
「いけませんか?」
「別に悪いとは言ってねーよ。熱中症になんぞ」
「水分補給をしっかりしていれば大丈夫です」
「一体何の我慢大会だよ」
「どうとでも」
勝哉に背を向け机に座ってファイルを開いた
「何してんだ?」
「自習です」
「そんな事するぐらいだったら教室に戻りゃいーだろ」
「……」
立ち上がり背中を向けている尾澤に近付いて行き声をかけた
「なぁ」
「何か?」
「お前、俺の事嫌いじゃねーだろ?」
後ろからそっと抱き締め耳元で囁いた
「……煙草臭いんですが」
「気にすんな」
「煙草は退学ですよ」
「見つからなけりゃ大丈夫だ」
「暑いので離れて頂けませんか?」
「じゃあマスク取りゃいいじゃねーか」
「嫌です」
勝哉を振り払い、立ち上がって机から離れた
「可愛くねーな」
「何とでもおっしゃって下さい」
書類棚の引き出しを開けに行き、中にあった用紙を数枚取り出し再び机に向かおうとした時次は前から抱き締められた
「やめて貰えませんか?」
「嫌だったらもっと暴れりゃいーんじゃね?」
「無駄な体力を使いたくないんですよ」
「無駄……言うねぇ」
勝哉の腕をぐっと掴み引き離そうとした時気が付いた
「傷が……」
「ん?ああ」
「この感じだと最近ですね?」
「まぁな」
「全く、喧嘩ばかりじゃないですか」
「他校の奴らばっかだから心配すんな」
「そういう問題じゃありません」
よく見てみると、小さな傷が手や顔にも……
「近くで見ると貴方は傷だらけですね」
「何ならもっと近くで見てみるか?」
そう言って勝哉はそっと尾澤のマスクを外した
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