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第144話

「おいコラ」 「また貴方ですか」 「貴方じゃねえ」 「今日はもう帰宅するので用があるならまた明日にして貰えませんか?」 「あ?」 「ではさようなら」 「待て」 そそくさと帰ろうとする尾澤の腕を掴んだ 「尾澤に何か用?」 すると、朔夜が勝哉を睨みながら2人の元へやって来た 「関係ねー奴はすっこんでろ」 「うん、確かに関係ないけど。君、1年の癖に生意気だね」 「ああ?やんのかコラ」 「いいよ、かかってきなよ」 「2人共やめなさい!」 目の前で喧嘩勃発しそうになり慌てて2人を止めた 「朔夜、大丈夫ですから」 「本当に?」 「ええ、ですから早く憂君の所に行ってあげて下さい。待っているんでしょ?」 「んー」 「ほらっ大丈夫ですから。 ……わかりました。勝哉さん、私に着いてきて下さい」 「名前覚えてるじゃねーか!」 「さぁ行きましょう。朔夜、また明日」 「わかったよ……おいお前!尾澤に変な事したら殴るからね!」 「うるせーっ!てめぇはチビ助だけ相手にしてろ!」 「またチビ助って!!」 「あー?」 「だからやめなさいってば!!」 今度は尾澤が勝哉の腕を掴み、教室の中から引きずり出した 先程の言い合いを聞いていたと思われる他の生徒達が勝哉を見て目が合うと慌てて視線を逸らす 「どこ行くんだ?」 「取り敢えず靴を履き替えましょう」 「おい、お前が言ってた奴らがいたら直ぐに俺に教えろよ」 「何故です?」 「ぶん殴る」 「なら言いません」 「ああ?」 そのまま下駄箱まで連れて行き、退屈そうに朔夜を待つ憂を見つけ漸く勝哉から手を離した 「憂君とは本当によく会いますね。まぁ今回はいるとわかってましたが」 『あっお疲れ様です。今日はもう帰るんですか?ってあれ?勝哉さん?』 「朔夜ならもう直ぐ来ると思いますよ。ほらっ勝哉さん早く靴を履き替えて来て下さい」 「うるせーってめぇもだろ!」 「大きな声を出さないで下さい。ではさよなら」 『あっはい。さよなら』 キョトンとする憂君に手を振り自分も靴を履き替えに向かった 「貴方はいちいち声が大き過ぎます。もう少しボリュームを下げて」 「これが俺の普通だ」 「そうですか。では常に囁いていて下さい」 「いい度胸してるなぁおい」 「これが私の普通です」 「けっ可愛くねー」 スタスタと歩いて行く尾澤の後ろを大人しく着いていく勝哉 学校から出たけど一体何処に向かってるんだ? .

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