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第157話

昼休みに俺は朔夜から衝撃的な話を聞いてしまった 『マジで言ってんの!?勝哉さんと尾澤会長がデキてっ……うわっ!!』 「危ない!!」 びっくりし過ぎてベンチの後ろにひっくり返りそうになった俺を咄嗟に朔夜が支えた 「ちょっと興奮し過ぎ!俺がびっくりしたよ」 『ご、ごめん』 「密着は嬉しいけどこんな心臓に悪い密着じゃなくてもっとこう……ね?」 そう言われハッとした俺はゆっくり朔夜から離れた 「そんなに恥ずかしがらなくても……」 『や、無理だろ。人目あり過ぎだから』 「だからいいんだよ。何なら膝の上にでも乗って欲しいぐらいだよ」 『絶対無理!!!』 「そんなに拒否されると傷付くなぁ……」 しょんぼり落ち込む朔夜を見て1センチ程だけ近付いて座り直した 『勝哉さんと会長が……一体何がどうなってそんな事になったんだろ。そんな素振り全くなかったのに』 「それは俺も思ったよ。憂に夢中になり過ぎてて全然気づかなかった」 『俺の話はいいよ!』 「えー」 いやしかし真面目な尾澤会長とヤンキー勝哉さんがねぇ あれかな?勝哉さん、会長によく呼び出されてたし何回か会ってる内にとか…… そうか! だからあの時勝哉さん3年の教室に案内しろとか言ったのか! 教室に戻ったら勝哉さんに聞いてみよっかな 「憂?」 『ん?何?』 「俺達の前であの2人会わせてみる?」 『……マジ?』 「うん」 それめっちゃ面白そうじゃん!! 2人の反応がめっちゃ気になる 尾澤会長はいつも通りにっこりしてそうだけど勝哉さんの反応が面白そう! あのツンケンした態度のままでいるのかな それともデレっとしちゃうのかな……そんなの全然想像出来ないや くふふふ…… 「悪巧みしてる顔も可愛いね」 『ん?近い!顔近い!』 「だから拒否し過ぎ……」 『ドキドキするし学校じゃ恥ずかしいんだよ』 「ごめん、めっちゃムラッと来た」 『変態!!』 俺はまた朔夜から離れた 「来週からテストだけど大丈夫そう?」 『テスト?んー自信ないや。赤点取っちゃったら夏休み補習出ないといけないらしいからそれだけは避けなきゃ』 「この間の小テストは因みに何点だったの?」 『50点中15点かな』 「あちゃー半分もいってない」 『しかもその15点は記号問題で適当に書いて当たったやつだからなぁ。今回も運良く当たればいいんだけど』 「何それ博打じゃんか」 『あはは』 「今週バイトは?」 『テスト前だから今週は休みだよ。店長が学生は学業が本職なんだからしっかりテスト勉強しろって言って休みにしてくれたんだ。だから期末テスト終わるまでずっと休み!ちょっとした夏休み気分だよな』 「じゃあ時間はあるんだね」 『うん?』 「補習にならないように俺がしっかりと家庭教師してあげるよ」 突然そんな事を言い出した 「ええっ?いいよ!記号問題当たれば何とかなるし!」 「記号問題がなかったらどうするの?」 『それは……ま、まぁ何とかなるっしょ』 「ダメ!どうせ夏休み中バイトばっかなんでしょ?その上補習なんかで憂との時間を減らされたら堪らないよ!」 『ええっ』 朔夜の中でどうやら俺は補習になると予想しているらしい 「だから今日から憂はずっと俺んちに泊まる事!」 『な、何でそうなるんだよ!しかも家庭教師って言いながら俺が行くのかよっ』 「別に憂んちに俺がずっと泊まってもいいけど」 『わかったよ。行くよ……』 こうしてまた朔夜の口車に上手い事乗せられるんだ .

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