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第160話
『ひゃあっ!』
いきなり勝哉さんに抱き上げられた
こ、これはお姫様抱っこ!
「おら銀髪!受け取れっ!」
『え!?ちょっ勝哉さん!?うわぁっ!!!』
そして俺はそのまま朔夜に向かって投げられたんだ
「っ!」
朔夜が咄嗟に俺を受け止めた
「危ないだろ!!落ちて怪我したらどうするんだ!!」
「大丈夫大丈夫!おめぇーは絶対そいつを落とさねーだろ」
「憂!?大丈夫!?」
『び、びびった……』
さすがにこれは尾澤会長もびっくりしたようだ
目をまん丸にして唖然としていた
「さて、俺は帰るぞ。じゃーなお前ら」
「え?勝哉さん?」
「待て!!」
勝哉さんは俺達を置いてさっさと教室から出て行ってしまった
「一体私は何をしにここに連れて来られたのでしょう?しかしびっくりしましたね。憂君、大丈夫ですか?」
『あ、大丈夫です』
「あの野郎、憂をお姫様抱っこするなんてホント腹立つな」
『怒る所おかしいだろ!ってか降ろしてっ』
「ん?」
『早く降ろして!』
目の前に尾澤会長がいるのに超恥ずかしいじゃんかっ
「おやおや仲がよろしくて……」
何故か和まれてしまった
「朔夜、勝哉さんは帰るそうですので私も行きますね」
「帰るの?」
「いえ、少しだけ生徒会室に寄ってから帰宅します。テスト勉強もしないといけませんし」
「そっか、じゃあ俺達も帰ろっかな」
『だから降ろしてってば!』
「落ちるから暴れない!」
「ふふ、ではお二人共さようなら」
尾澤会長はそう言い、勝哉さんに続いて教室から出て行った
「……誰もいなくなっちゃったね」
『うん。ってか俺はいつまで抱き上げられてなきゃダメなの?』
「ん?」
『いや、ん?じゃなくてさ。重いだろうし早く降ろしてよ』
「全然重くないよ。寧ろ憂はもっと太った方がいいよ!軽過ぎる」
『……このまま下駄箱まで連れて行くとかは絶対しないでよ』
「え?」
『やはり狙いはそれか』
「違う違う!そんな事はしないよ」
『じゃあ何で降ろしてくれねーの?』
「こんな教室の中で憂に密着出来てる事が新鮮過ぎて降ろしたくないんだよ」
『はぁ!?』
そのまま横にあった机の上に降ろされ、キスされた
『……ダメだって』
「誰もいないから大丈夫」
『んんっ』
「イチャこらこいてる中悪りぃーけど忘れもんしちまったぜ!!」
『!!!!』
勝哉さんが教室に戻って来た
「あ、大丈夫大丈夫。続けてくれ」
『な、な、な……っ』
俺の顔はゆでダコみたいに真っ赤っかになった
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