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第166話
ついに週末を迎えた
来週は遂にテスト本番だ
朔夜んちに連泊していた俺は昼まで寝ててそして現在机の前に座っていた
「はい、これやってみて」
朔夜から色んな問題が書かれた紙を渡された
『こんな問題いつの間に……』
「昨日の夜中ネットから色々問題拾って纏めたものをプリントしといた」
『俺昨日またソファーで寝ちゃってて気付いたらベッドにいたから朔夜がいつ寝たのかとかわかんねーや』
「そうだろうね」
『うん、じゃあやってみるね』
「向こうに行ってるから終わったら呼んで」
『わかった!』
そう言い早速シャーペンを持ち書いてある文章を読んだ
読めなかった漢字も色々と読めるようになった
朔夜のおかげだね
そして全ての問題をやり終わり朔夜を呼んだ
「……」
『どう?』
「うん、何箇所か惜しいとこあるね」
『本当?』
「これぐらい出来てたら上等だよ。よく頑張ったね」
『やった!』
ぎゅっと抱き締められ頭を撫でられた
『朔夜のおかげだよ。ありがとう』
「憂自身が頑張ったからだよ。それにテストはまだこれから」
『うん』
「じゃあ頑張ったご褒美に今日はもう勉強しなくていいよ。明日惜しかった問題を完璧に覚えよう」
『わかった!……そうだ!朔夜、買い物行って来る!』
「買い物?」
『今日俺が飯作るって言ってたの忘れたの?食材の買い出し!』
「本当に?」
『うん!だから今日の夜キッチン貸して』
「いいけど……因みに何を作ってくれるのかな?」
『へへっ出来てからのお楽しみっ』
「一緒に行くよ」
『ダメ!バレちゃうじゃんか』
「徒歩でしょ?荷物持って歩くの大変じゃない」
『大丈夫!筋トレ筋トレ』
ニヤリと笑い出掛ける準備をしに向かった
『買い物行っただけなのにもう夕方?』
「昼まで寝てたからね」
ガサガサと買物袋の中を漁りさっき買ってきた食材達をカウンターテーブルの上に並べた
「何を買って来たのかなー?」
『あ!見るの禁止!えっと、まな板とか包丁とかだけ出してて欲しいんだけど』
「包丁?……本当に大丈夫?」
『大丈夫!』
「何か手伝う事は?」
『ない!』
「見ててもいい?」
『ダメ!向こうでテレビ見てて』
「何を作るのか知らないけど本当に大丈夫?」
『心配し過ぎだって!携帯でYooTube見ながら作るんだから大丈夫だよ』
「携帯見ながら?本当に怪我だけはしないように気をつけなきゃダメだよ!」
『大丈夫だって何回も言ってるだろ?さぁ行った行った!』
朔夜をキッチンから追い出した
……さてさて
携帯画面を見やすい場所に置いた
えーっと……まずは玉ねぎをみじん切り
みじん切り?取り敢えず細かく切ればいいのか
『くっ……』
皮を剥いてる時点でもう目がやられる
こいつを退治するのは最後だ
動画を早送りし他の食材を切る事にした
『……』
何だこれはどうやって切るんだ
椎茸を片手に持ち芯の部分を持ってくるくる回した
こんな時は動画を見るべし!
そして他の食材も切り終わり残すは玉ねぎのみ
もう見ただけで涙が出ちゃうよね
みじん切りみじん切り……
なんだよこいつ丸いから切りにくいな
『いっ』
「大丈夫!?」
俺のこの一瞬の声を聞きつけた朔夜が走って来た
『大丈夫大丈夫!掠っただけだから』
「でも血が出てる」
『本当?ティッシュ……』
つかさず朔夜は俺の指を舐めた
『!!!』
「ん?」
『だーーーっ!!』
恥ずかしさのあまり朔夜の頭めがけてババチョップしてしまった
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