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こんな筈じゃなかったけど・・・

「よ!クリスならまだ予行演習だぜ?」 「・・・いや、俺は他の用事で来たんだよ」 あれから、どうなったって? 結論から言えばどうもなってねぇ! 「またまたぁ?少しはクリスに会えると期待してたんだろ?シェスちゃん?」 うぜぇーーーーーーーーーーー!? そりゃあんなにあからさまに態度に出せば気付く奴は気付く。俺達の関係はあっという間に騎士団中に広まった。 そして、何故か騎士団公認のカップルに認定されてしまった。意味がわかんネェ。本当に何故こんな事に? 「それ止めろ。なんなんだアンタら。暇なのか?」 「いや?お前らみたく暇じゃねぇよ?ただクリスの想い人がお前なのが面白い。今世紀最大の事件だ」 だろうな! 俺も他人事だったなら同じ事言ってただろうな! 最初はダメージデカかったけど、もうここまで広まっちまったからな?俺は、開き直った。 「で?お前ら結局どこまでいってんの?」 「おい。何してる?」 噂をすれば見事に噂を広めてくれたクリスが来たな? なんだお前凄い汗だな?走って来たのか? 「いや?揶揄われてただけだ。お前の事で」 「ちょっ!シェスちゃん待って・・・」 「シェス、ち・ゃ・ん・?おい、なんだその呼び方。止めろ」 俺、全然知らなかったけどクリスって第一騎士団だとかなりの実力者で次の副団長候補らしいぞ? え?クリスって強かったの?ケーキ職人なのに? 「俺がいない所でシェスにちょっかいを出すな。締め上げるぞ」 俺は本当に意外だった。 クリスって威圧的な事、俺達には絶対言わなかったのに・・・やっぱり階級の違いって大きいのな?・・・良かった俺第一じゃなくて!! 「わ、悪かったって!いや、だって最近周りの目があって二人ゆっくり出来てねぇだろ?大丈夫なのかと・・・」 「分かっているなら放っておけ。邪魔するな」 そうなんだよ。 俺達の関係がバレてからというもの、周りの視線が痛い。 つまり、前みたいにイチャイチャできない。 クリスの部屋も誰が聞き耳立ててるか分からないから実は未だに俺の尻の貞操は守られている。 ・・・なんだかな。 まぁ、キスとかは、してるけどさ? 「シェスはジェイダの所に行くのか?」 「ああ。この前の任務の報告書をテオに頼まれた。アイツ直ぐサボりやがる」 ん?そういや、話しかけて来た奴どうした? いつの間にいなくなった? 「・・・シェス。今日はこの後、空いているか?」 「そうだな、今日の仕事はあと少しで終わるぞ?クリスもか?」 「ああ。実は、ケーキを久しぶりに作ったんだが」 え!?マジで? 本当に久しぶりだな? 最近バタバタしててクリス忙しそうだったもんな? それは是非とも食べたい!! 「騎士団寮だと周りに色々詮索されて落ち着かないだろ?いつも行く店の店主が場所を空けてくれるらしい。今日は、そっちでいいか?」 「・・・別に覗かれても構わないぜ?ケーキ、食べるだけだろ?」 「・・・お前、それは俺の行動に対しての仕返しなのか?」 そうだな? 流石にお前の行動パターンは読める様になったぞ? お前、あの時わざと態度に出しただろ? 皆に俺と付き合ってる事、わざとバラしやがって。 ・・・それに流された俺も俺だけどな。 「お前、やっぱり独占欲強いタイプなのか?」 「・・・自分では分からないが、そうかもな」 俺ずっとクリスを騙してた事後ろめたく思ってたけど、実は騙されてたの俺なんじゃね?なぁんか、途中から俺誘導されてたみたいだしな? クリスお前、自分の欲望に素直に行動するタイプだろ? 「シェス?」 「もう、戻れよ。兵士達待ってんじゃねぇの?」 完全に騙された。 無口でぶっきらぼうな奴だと思ってたら実際は根っからのスィーツ好きで、趣味はお菓子を作る事。 それで、クリスは俺の前だとよく喋るし、笑う。 とても、嬉しそうに。 俺は多分、その顔をずっと見ていたいと思っちまったんだよ。 あ〜あ! 「そうだな。じゃあ、また・・・」 「あ、クリス。一つ忘れてたわ」 本当に、こんな筈じゃなかったんだけどなぁ。 「俺・・・クリスの事好きだ。俺と付き合ってくれ」 「・・・え?」 まぁ俺好きになったら相手に尽くすタイプだからな? テオ曰く? 「今度は嘘じゃねぇぞ?クリス、返事は?」 うん。クリス、本当にお前いい笑顔だな? やっぱ俺お前の笑った顔が好きだ。 「そうだな。答えは・・・シェス、俺が作るケーキを一生食べて欲しい」 あはは!そりゃいいや! 大好きなケーキを好きなだけ食えるんだもんな? ただ一つだけ言っていいか? クリス、お前重い!ドン引きだ!

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