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第32話

ベンチに座って幹人を待つ …さっきまで星も見えるくらい明るかったのに急に暗くなってきた 雨でもふるのかな? なんてことを考えていたら 「あれ?お兄さんひとり?何してるの」 知らない男の人 二十代ぐらいの派手な服装の若い男性 「あ、えっと一人じゃないです みき、…友人が今トイレに行ってるので」 「あっ、そうなんだ こんな暗い中で一人で何してるのかと思って ごめんね急に声かけて」 「いえ、大丈夫です …お兄さんこそ一人で何してるんですか」 警戒しながらも幹人が帰ってくるまでと思いながら話しかける 「ん、あー、オレは探しものしてるんだよね 多分、今日の昼にこの公園来たときにキーホルダー落としたんだけどそれ探しにきて …さっきまで明るかったから良かったんだけど急に暗くなるしスマホ電源切れちゃって困ってんだよね 彼女からもらった大切なやつで… ね、もしよかったら一緒に探してくれない? お友達が来る間だけでいいからさ」 お兄さんがペラペラと話しかけてくる …こういうときは知らない人についていくなとか聞いちゃいけないとか言うけど困ってるみたいだし うーん 「ゆーてもあとあそこの木生えてるあたりだけなんだよね探してないとこ …ちょっとだけ無理? あそこ探してなかったら諦めるし」 「それならちょっとだけ…」 「ありがと!マジ感謝! キーホルダーねー、星の形してるやつね」 ガサガサ キーホルダー… 見当たらないな もう少し奥まで行ってみようか ガサガサ …やっぱりないな お兄さんに見つからないと伝えようとして 「おにい…ううっ!?」

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