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番外編 学生時代 突然の悲劇

今日はいつも以上に調子が良かった 練習試合で三回もゴールをきめた 父さんと母さんがいることなんてほとんどなかったから嬉しくてもっといいところを見せてくて頑張った 部活が終わってすぐに父さんと母さんのところへ急いだ 「「幹人!」」 母さんに抱きしめられ父さんが頭をなでてくれる 「幹人すごいじゃない! 三回もゴールきめて、かっこよかったわ」 「二回目のゴールきめるときの足、あの はっ!って感じかっこよかったな 流石は俺の自慢の息子だ!」 ……嬉しい こんなふうに褒められるのなんて多分初めて ちょっと恥ずかしいけど…… 「少し早いけどお店に行きましょうよ 幹人もお腹空いたでしょ」 「そうだな ゆっくり歩けばちょうどいいだろ」 俺を間に挟んで三人で歩く 「なんか、……恥ずい」 「こんなふうに歩くのだって幹人が小学生のとき以来だろ たまにはいいじゃないか」 「そうね、もっとくっついちゃいましょうか ……なんかこの辺り警察が多いわね 見回りにしても人が多すぎるような……」 「ああ、そういえば最近不審者がでたとかって聞いたことある」 「あら!怖いわねぇ、大丈夫かしら……」 父さんが立ち止まる 「うーん、店ってどこらへんだっけ マップの使い方よく分からないんだよな…… 幹人分かるか?年取ると分からんなぁ」 「えーと、今俺たちがいるのはここだから ……いや、俺たち逆方向に進んでるじゃん」 三人で立ち止まってマップを確認していて前から来る男に誰も気づかなかった ……男がナイフを取り出し父さんを刺すまで 「…ろっ!?」 「……!?……と、とうさ…?」 「幹人!母さんを連れて逃げろ!!」 父さんが叫ぶ 男がナイフを抜きまた父さんに刺そうとする 「幹人!早く逃げろ!!」 「幹人!走って!」 母さんに腕を引っ張られ走る 「振り返らないで!もう少し先に戻れば警察がいるから 助けを求めましょう!」 足がもつれる 母さんが俺の腕を掴み必死に走るが……遅い すでに父さんを刺した男がこちらに向かって走ってくる 「か、かあさんおいつかれる」 「たすけて!誰かたすけて!!」 母さんが必死に叫べば警察が気づきこちらに来る それよりも早く男が俺の後ろに…… ……やられる! 「幹人!!」 母さんが俺の腕を引っ張り抱きしめられる そして…… ナイフが母さんの背中に刺さる そのまま俺は抱きしめられたまま尻もちをつくように倒れる 「か、かあさん?」 「取り押さえろ!暴れるな!」 警察が何か叫んでいる 「……か、かあ、さん?」 母さんの背中にはナイフが刺さったまま 「ね、ねぇ、かあさん、だ、だい、じょうぶ、だよね」 母さんがうっすらと目をひらく 「っ!かあさん!」 「……あぁ、みきと、……ぶじ、……で、よかっ……」 母さんの体から力が抜ける 遠くからサイレンの音が鳴り響く

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